小説における「人称」って何者?一人称や三人称から考えてみる【まとめ】

文章
この記事は約5分で読めます。
スポンサーリンク

はじめに

この記事は「小説における人称」について書かれています。

この記事からわかること
  • 小説における人称とは何かがわかる
  • 一人称と三人称の強みがわかる
  • 一人称の書き方がわかる
  • 三人称の書き方がわかる

 小説において、文章を書くときは一人称や三人称といった「人称」というものが大事になってきます。

 それは、小説が「語り部」によって綴られる物語だからです。

 一人称であれば「僕、私、俺」などといった登場人物の目線から、三人称では「彼、彼女、君」といった登場人物以外の第三者の目線から。それぞれの語り部によって小説は展開されていきます。

 ですので、小説では、語り部を示す人称はとても大事な要素なのです。

ところで、この人称って、いったい何者?

 そう疑問に思ったことはないでしょうか? 普段の生活の中で、一人称や三人称を意識して生活している人はほとんどいないと思います。

 だから、小説を書くときにも、この「人称」でつまずいてしまう人は多いのではないかな、と想像します。実際、ボクも小説を書く際は、この人称について悩まされました。(今でも悩んでいます)

 本記事では、人称とは何かを説明するとともに、これまでの人称について書いてきた記事を「まとめ記事」としてご紹介したいと思います。

 小説における人称とは何でしょうか? ボクは、「小説における人称とは語り部の視線」だと考えています。

 どういうことなのか、これから説明していきます。

スポンサーリンク

小説における人称とは、“語り部の視線”である

 いきなり結論ですが、ボクは「小説における人称とは、語り部の視線」だと考えています。それは、先ほども言った通り、「小説が語り部によって綴られる物語」だからです。

 小説においては、語り部の存在が必要不可欠です。それが、一人称だろうが三人称だろうが、神視点だろうが何だろうが、語り部がいなければ、物語が進みません。

 それくらい、語り部の存在は重要です。

 では一歩進んでみて、小説は語り部の「何」によって展開していくでしょうか。

 それを考えてみると、「語り部の視線」で展開していくと、ボクは考えています。語り部が見ている出来事を「視線」を通して文章として書いていく。それが小説だと思うのです。

 だから、小説における人称といえば、それは「語り部の視線」だと考えられます。

小説における人称とは?
小説における人称とは?

 つまり、人称を意識するということは、「語り部の視線」を意識することと同義だとボクは考えています。

 一人称や三人称で小説を書いている時に、「あれ、上手く書けてないな……」と悩んだならば、彼ら「語り部の視線」を意識するとよい、というのがボクの主張です。

 それができれば、人称に関しての苦手意識がグッと減るのではないかと思います。

小説を書くなら一人称? 三人称?

そっか、人称って語り部の視線なんだな

 そう何となく理解していただければ万々歳です。しかし、ここでは少し先に進んで、「一人称か三人称か」、人称の違いを考えてみましょう。

 大抵の人が小説を書くときは、一人称か三人称だと思います。(それか、神視点ですね)しかし、この「一人称と三人称」って、どうやって使い分けたらいいのでしょうか?

「一人称が良いよ、三人称じゃなくちゃダメだ」っていうアドバイスが、たまにネットで見られますが、それは何によって、そういうアドバイスをしているのでしょうか?

 ボクが「一人称か三人称か」で悩んだ場合は、それぞれの「強み」を意識して、どちらが今回書きたい小説に合っているかで決めています。

 つまり、どちらの人称かで悩んでいる人がいるとすれば、「それぞれの強みを意識して使い分けると良いよ」とボクはアドバイスするわけです。

 それには、2つの違いを知る必要がありますよね。

 ボクは、一人称や三人称(それから神視点)の違いは何かというと、「視点の遠近の差」だと考えています。

 一人称であれば、主人公や登場人物からの視線のため「視点が近い」のです。一方で、三人称では、登場人物以外の視線のため、「視点が遠い」のです。

 この「視点の遠近の差」を意識して、どちらの「強み」を生かしていくかを考慮しながら「一人称か三人称」を選ぶと良いと考えています。

 そんな「一人称か三人称」についての詳しい記事はこちら→(記事:一人称と三人称の使い分けって?両者の違いから考えてみよう

一人称の強みって何? 視点の近さを生かそう

人称の違いは、視点の遠近の差ね

 そう理解してもらえたら、次はどっちがどう違うのか、気になりますよね。

 先ほど言った通り、「一人称の視点は近い」ことが強みだと考えています。それは、「登場人物にも近い」し、「物語にも近い」し、また「作者と語り部も近い」のです。

 それぞれにおいて強みがあるし、逆にそれがまた弱みと捉えられてしまう場面もあります。

 一人称小説が、自分が書きたい物語とマッチするならば一人称を選択した方がいいですし、逆に「これじゃ、近すぎるな」と思ったら三人称を選択すれば良いと思います。

 そんな一人称についての詳しい記事はこちら→(記事:小説における「一人称の書き方」とは?近さを意識して書いてみよう

三人称って? 神視点とはどう違うの?

 一般に、一人称に比べて、三人称の方が「とっつきにくい」といった印象を持っているのではないでしょうか?

 一人称は、「語り部=登場人物」であり、そのキャラクターになり切って小説を書けばよく、その分、書きやすいと感じる人が多いと思います。

 一方で、三人称とは、「語り部≠登場人物」であり、「じゃあ、結局、語り部とは誰なんだよ?」と言った不満を持つ人が多いのではないでしょうか。

 さらに三人称を難しくさせているのが、「神視点」の存在です。

 三人称と似ている様で、神視点になると「普通は評価が減点」されてしまうことが常です。

 そのせいで、三人称視点での小説は敬遠されがちですが、しかし、三人称小説には、一人称小説にはないメリットが沢山あります

 難しいからと言って三人称を避けてしまうのは勿体ないとボクは思います。ただでさえ表現技法が少ない小説ですから、使えるものはとことん使って、自分の小説を魅力的なものにしちゃいましょう。

 三人称についての詳しい記事はこちら→(記事:小説における「三人称の書き方」とは?視点のブレに気をつけよう

コメント

タイトルとURLをコピーしました