小説家になるための執筆戦略とは?「言い訳」を探すことから始めよう

執筆活動のコツ
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はじめに

この記事は「小説家になるための執筆戦略」について書かれています。

この記事からわかること
  • 小説家になるための執筆戦略が分かる

 こんにちは、小説家になるために日々、公募用の作品を執筆している白玉と言います。

 今回は「小説家になるにはどうすれば良いか?」というテーマで書いてみたいと思います。

 どうしたら小説家になれるでしょうか?

 何とも漠然とした質問ですが、

そんなの、小説を書けよ!」というアドバイスに尽きるかと思います。

 そうなんです、書けば良いんです。

 書いてどこかの新人賞に応募すること

 これが、小説家になるための一番簡単な道のりです。

 そして、この記事を見ている人のほとんどが知っていることではないでしょうか?

 しかし、たくさんの人が日々「小説家になるには?」と検索しています。小説家のなり方を知りたがっているのです。

 それは何故なのか。ボクが思うに、

「小説家になるための執筆戦略」が上手く立てられないために、小説を書くという行為に一直線に歩めてないのではないかな? と想像しています。

 小説を書くまでは大変。書いてからも大変。

 しかも1作で小説家になれることは少なく、何作何十作も書いていく必要があります。戦いは長期戦です。夢破れることもざらにあります。

 そんな中、何年も何年も、「たた漠然と小説を書くだけ」では、執筆活動に不安を覚える人が多いのではないでしょうか。

 そこで今回は、小説家を目指す上での「執筆戦略」というものを考えてみたいと思います。

 小説を書くという行為はマストなんだけど、だからと言ってそれで努力が報われる世界でもない。

 そこで「執筆戦略」というものが重要になってくると思うのです。

 戦略と言いながら、特に難しいことは書いていません。

 何をしたらいいかというと、「言い訳を探してみよう」という、ただそれだけ。

 小説を書いて、「言い訳を探すこと」。これが小説家になる上で重要な「執筆戦略」だとボクは考えています。

言い訳を探す?

 どういうことか。これから詳しく説明していきます。

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小説家になるための4パターン

 言い訳の話に入る前に、僕が想定している「小説家になるパターン」を定義したいと思います。

 小説家になるには色々あると思いますが、以下の4パターンが主流かなと思います。

  1. 小説投稿サイトで人気になり、書籍化の声がかかる。
  2. 出版社が開催している公募に応募して、入賞する。
  3. 出版社から「本書きませんか?」と連絡が来る。
  4. 自費出版する。

 3番と4番に関しては、一般的ではないため割愛します。有名人とか、お金がある方は小説家になるルートが別に存在するということですね。

 一般的に、小説家になるためのルートは1番目の「投稿サイトで人気になり声がかかる」パターンか、2番目の「公募に応募して、入賞する」だと考えます。

 小説家を目指す上では、どちらにも手を付けてみたいところですが、個人的にオススメしたいのは2番目です。

オススメは公募に応募すること

 小説家を目指すなら、2番目の「公募に応募する」ことをオススメしています。何故かというと、小説投稿サイトで人気になるには「ライバルが多すぎるから」です。

 小説投稿サイトは基本的に誰でも投稿できます。

 そうすると必然的に執筆者人口が多くなります。数の原理でライバルが多ければ多いほど、人気になるのには時間がかかります

(そもそもなれない可能性の方がずっと高い)。

 さらに投稿サイトでは「面白ければ人気になるだろう」ということが単純に言えません。作品数が多すぎるので、面白い作品が埋もれることもざらにあります。

 投稿サイトでは面白いのと同じくらい「色んな人に読まれてもらう戦略」が必要になってきます。

 それは結構、面倒臭い。

 なのでボクは2番目の「公募に応募すること」をオススメしています。公募であれば以下の3つのメリットがあると考えます。

  1. 出版社が作品を必ず読んでくれる。賞によってはアドバイスがもらえる。
  2. 投稿サイトと比べて相対的にライバルが少ない。
  3. 小説を完結させる力がつく。

 これらを踏まえて、次章からは「公募に応募して小説家を目指す人」のための執筆戦略を書いていきたいと思います。

 キーワードは「言い訳」です。

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言い訳が自分の現在地を教えてくれる

 初めに断っておきますが、これは公募で受賞するための指南書ではありません。具体的な技術の解説もしていません。

 伝えたいことは「言い訳を探して、ソイツを潰すような執筆戦略を取っていく」こと。それを、個人的な体験を踏まえて話したいと思っています。

 小説を書いていると、色んな言い訳が出てきませんか?

小説を書く時間がない

自分に合った応募先がない

流行じゃないから1次で落とされた

下読みではずれを引いた

はずれの編集者を引いた

カテエラで弾かれた」……等々。

 ネットで検索すれば、もっと多くの言い訳が出てくると思います。

 これらの言い訳を観察していくと、それぞれで「言い訳の立ち位置」が異なっていることがわかりますか?

 例えば、「小説を書く時間がない」という言い訳。これは、まだ小説を応募していない段階の人が多く使う言い訳です。

 小説家になりたいんだけど、時間がないから書けない。もっともらしい良いわけです。

 他には、「流行じゃないから1次で落とされた」とか「下読みではずれを引いた」などは、応募したけど低次で落選した人の言い訳です。

 さらに「はずれの編集者を引いた」などは、高次で落選した人の言い訳……など。

 言い訳の内容を見てみると、その人の「立ち位置」が分かるのです。

 つまり、「言い訳」は「現在地点を知らせてくれる言葉」とも言い換えることが出来ます。

 自分が今どこにいるのか。どのレベルにあるのか。

 それを知ることはとても重要だとボクは考えています。

 自分のレベルも分からずに漠然と小説を書いていく作戦では、効率が悪いです。

 そうではなくて、今いる自分の立ち位置を認識し、そこからレベルを上げるためにはどうすれば良いか? ということを考えながら執筆戦略を進めていった方が良い

 これがボクの主張です。

言い訳は悪い物じゃない

「言い訳は良くない。落ちたのは全部俺の筆力のなさの結果だ。努力していれば、いつか小説家になれる」

 そう思ってガムシャラに小説を書くことも悪くはありませんが、自分が落ちた結果も分析せずに、ただ闇雲に小説を書いていくだけでは成果は薄いと思います。

 そうではなくて、

「なんで俺の小説が1次落ちなんだよ! おかしいだろ! 絶対、クソな下読みに当たったわ。そうに違いない!」

 と言い訳をして、改訂したものを他の新人賞に送った方がステップアップが望めます。

 何故なら、そうしたことによって「新たな結果」が帰ってくるからです。

 もしまた落ちれば、今度は「下読みのせいで落ちた」という言い訳が使えなくなります。

 落ちたのは下読みのせいではなくて、あなたの小説が「1次を越えるに足らなかった作品だから落ちた」ということがわかります。

 その際の自分の立ち位置は「1次止まりの小説家志望」だと分かるのです。傲慢な思いは改める必要があります。

 一方で、別に出した新人賞で「1次を突破した」ならば、自分の作品は「1次を越えることが出来る」ことがわかります。

 自分の中で「これくらいの作品が書ければ、これくらいの結果になるだろう」というモノサシが持てるのです。

 もちろん、「言い訳してそのまま」というのは一番悪いです。言い訳するからには、次のステップへとつなげましょう。

 その次のステップというのが「言い訳を潰すこと」です。

言い訳を探して、ソイツを潰す。

 言い訳が見つかれば、現在地が分かるというのは先ほど書いた通りです。

 「小説を書く時間がない」という言い訳が見つかれば、「じゃあ小説を書く時間を確保するにはどうすれば良いか?」という風に、「言い訳を潰す問い」に変換できます。

 そうやって「言い訳を探して」、その言い訳を「潰すにはどうすれば良いか?」という風に執筆戦略を練りましょう

 次からは、少し具体的な言い訳を見てみましょう。

「1次は下読みガチャ」という言い訳にはどうする?

 代表的な言い訳として、1次が通らない場合に「1次は下読みガチャだからはずれを引くと落ちるよ」というものがあります。

 これはあながち間違いではないと個人的には思っています。

 下読みさんを中傷しているわけではなくて、人間が判断しているため、面白い作品が1次で落ちることもあるでしょう。何千作も送られてきたらそりゃ少しは弾かれます。

 問題はココからです。

 自分の作品が1次で落ちたらどうするのか

  1. 「落ちたから仕方ない。他の作品を書こう」とするのか、
  2. 「ふざけんな、何でこれが1次落ちなんだよ」と憤慨するのか、
  3. それとも「他の公募にも出して様子を見てみよう」とするのか。

 それぞれの考え方で執筆戦略は全然違ってきます。

 次の作品を書く場合、今書いた作品が何故落ちたのか分からないまま執筆活動を続けることになります。

 どうして自分の作品が落ちたのか。その答えを知らないままに2作目を書き上げても、同様の理由で1次落ちするかも知れません。

 例えば規定違反。

 本来ならば規定違反で1次落ちしているのに、それを知らずに2作目を書くのは得策ではありません。

 2番目の「言い訳を言い訳のままにしておく」のは論外です。溜飲が下がるかも知れませんが、そこからは何も生まれません。

 じゃあどうするかというと、3番目の「他の新人賞に応募してみる」のです。大体の新人賞では、改訂した作品なら応募を受け付けてくれます。

 そこでまた落ちたら、「自分の作品が面白くなかったんだ」と素直に受け入れられるでしょう。

 言い訳が消えなければ2度、3度別の新人賞に応募するのも良いかも知れません。

 あるいは、「1次落ちでも評価シートを貰える新人賞」に応募するのも良いでしょう。そうすれば、建設的なアドバイスをもらうことができます。

 そうやって、「言い訳が見つかる」→「言い訳を潰す」ことを繰り返していきましょう。「1次が通らない」なら、他の新人賞に出してみましょう。

 2回連続で1次落ちを食らったら、それには意味があるのです。

(ちなみに、確率50%で1次突破する作品が2回連続で落ちる確率は25%です(1)参照。意外に高いです)

言い訳が通用しなくなってからがスタート

今流行の作品じゃないから落ちた」という言い訳を持っているなら、その流行作品を1度、書いてみれば良いじゃないですか。

 それで応募して落ちれば、「流行作品が書けない」という自分の立ち位置を知れます。

 他にも「規定違反で落ちた」と思ったなら、次は評価シートを必ずくれる新人賞に出してみたり、色々と「言い訳を潰すこと」は出来るはずです。

 そうやって、「1つ1つ言い訳を探して潰すこと」が、小説家になるためには重要だとボクは考えます。

 でも、どんなに言い訳しても、その言い訳を潰していけばいつかは「言い訳出来ない状態」が来ます。

「1次の下読みガチャ」という言い訳もできないし、「編集者ガチャ」も言えない。「流行作品じゃないから」という言い訳や「規定違反」というのももちろん言えない。

 逃げ場はもうなく、「自分の作品がつまらないから落ちた」という現実を突きつけられる時が来ます。

 そこで、「もういいや」と諦めるなら、それもありだと思います。

 人生は有限だし、時間は限られているから他にやりたいことが見つかればソッチに向かった方が良いです。

 でも、逃げ道を封鎖されても、言い訳出来なくても「やっぱり小説家が書きたい」と思えるなら、あなたはきっと小説家になれると思います。

 そういう人が小説家になれば、面白い作品がもっともっと市場に出回るんじゃないかなあ、と個人的に思っています。

まとめ

 小説家になるためには「たくさんの言い訳」を見つける。

 その「言い訳を潰す」ように執筆戦略を取っていくことが重要。

 言い訳が全て通用しなくなってからが本当の勝負。

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