はじめに
この記事は「小説を書く時間がない! と悩んでいる方」に向けて書かれています。
- 時間がない中で、小説を書く時間を捻出できるようになる
- 小説の作業に応じた時間の使い方がわかる
「小説を書く時間がないよ……」
小説を書いて新人賞に応募しよう! そう意気込んだものの、そんな悩みを抱えたことはありませんか?
社会人の方なら、仕事や家庭の合間に小説を書くしかならず、必然的にプライベートの時間を削っての作業になります。
学生の方なら、社会人よりも時間にゆとりがあるものの、学校や勉強の合間に小説を書く必要があり、やはりプライベートの時間を削っての作業です。
そんな中だと、どうしても時間が足りなくなってしまいます。
それでも順調に執筆活動が進んでいればいいものの、「あれ、書けない……」といった、執筆が止まってしまうことも多々あると思います。
小説が書けない理由や対策は、別の記事に譲るとして(書けない理由と対策についての記事はこちら→(記事:「小説が書けないよ…」そう思った時に読みたい記事【まとめ】))、この記事では、小説を書く際の時間の使い方について書いていきたいと思います。
「え? 小説を書くことに時間の使い方なんてあるの?」
そう疑問に思うかもしれません。試験勉強じゃあるまいし、そんな効率を求めることなんてできないだろ、そう憤慨するかもしれません。
でもボクは、小説を書く際も、時間の使い方があると思っています。それは、「小説はただ書くだけじゃなく、アイデアや推敲など、別々な作業がある」からです。
それぞれに対して、効率的な時間の使い方、というものがあると考えています。
「じゃあ、どんな時間の使い方が良いんだよ?」
ボクが考えているオススメの時間の使い方は、「考える時は分散的に、書くときは集中的に」時間を使った方がいいということです。
どういうことか、これから説明していきます。
小説を書く作業は3段階に分かれる
突然な話になってしまいますが、小説を書く作業は3段階に分かれるとボクは考えています。
「え? 小説って書くだけじゃないの?」
そう思うかもしれませんが、実は違います。小説には、書く以外にもやることが沢山あります。
例えば、「アイデアを出す」とか、「文章を洗練させる」とか、「語彙を増やす」とか、「構想を練る」とか、「プロットを書く」とか、「構成を考える」とか、「推敲する」とか、「誤字脱字チェック」とか。
少し考えるだけでも、「書くだけが小説の完成するわけじゃない」ことは分かると思います。
ボクは小説を完成させる段階を、以下の3つに分けて考えています。
段階 | 作業 |
---|---|
小説を書く前 | アイデアを出す、語彙を増やす、構想を練る、プロットを書く、構成を練る等 |
小説を書いている最中 | 文章を書く、文章を洗練させる、誤字脱字チェック等 |
小説を書いた後 | 推敲する、誤字脱字チェック等 |
実に簡単な分け方ですよね?
「小説を書く前」の段階では、「どんな小説にしようか?」と、ウンウン唸りながら「考える」作業になります。色んな事を頭の中で検討していく作業ですね。
それが終わると、今度は「小説を書いている最中」の段階になります。ここでは、全段階で行ったアイデアを、実際に文章に「書いていく」作業になります。
書き切っても、まだ終わりではありません。その後に行う段階が「小説を書いた後」になります。つまり、「変な文章はないか」「誤字脱字はないか」などの校正や、推敲する作業です。(校正についての記事はこちら→(記事:小説の校正はツールを使用して自動化しよう!時短に繋がる校正術))
上記のように、小説を完成させる際に進んでいくと、ボクは考えています。
「書くこと」と「考えること」
ここで、上記の3段階で行った作業を考えてみると、これまた2つのことにわけられることに気が付いたでしょうか?
そうです、「書くこと」と「考えること」です。
小説を書く前は、主に「考えること」を行っています。実際に文字に書かないで、頭の中で物語を組み立てていく作業です。もちろん、メモ書きなどで文章を書くことはあります。
一方で、次の「文章を書いている最中」の段階では「書くこと」が集中して行われます。理想を言えば、全段階でしっかり構想が練れていれば、ここは「書くだけ」の作業になります。(もちろん、そんなことはあり得ませんが(笑))
そして、最後の「文章を書いた後」の段階では、「書くこと」と「考えること」の両方がある事が分かります。
「誤字脱字チェック」や「読める文章に直す」などは、「考えること」が少なく、「書くだけ」で終わる作業です。一方で、「より良い文にする」や「面白くする」などの推敲作業では、「考えること」が必要になります。
以上のように、ボクたちは小説を完成させるためには、3段階を通して2つの作業を行っていることが分かります。
ここでやっと、「時間の使い方」のお話になります。
「考えること」と「書くこと」の時間の使い方
「考えること」と「書くこと」においては、時間の使い方が異なるとボクは考えています。それは、それぞれの作業において求められるモノが違うからです。
求められるモノが違うのならば、その「時間の使い方」も変えた方がいいのではないか、というのがボクの主張です。
では、2つの作業について何が求められているのかを書いていきます。
考えることで必要なのは「創造力」
まず「考えること」ですが、これらに求められるモノは「創造力」です。
アイデアや、構想を練る等の頭を使う作業では、集中して時間を割くよりも、「分散的」に時間を使った方が、良いものが出やすいと考えています。
これは、アイデアを考える時を想像すれば分かると思います。
例えば、休日の午後を、丸々アイデアを出すことに当てたとしましょう。パソコンの前でウンウン唸っているだけで、良いアイデアが出ない、なんてことはないですか?
「これじゃダメだ」と思って、集中するんだけれども、考えれば考え込むほど「良いアイデア」が出てこない。
そこで疲れて、「トイレでも行こう」と立ち上がって、扉を開けた途端「ピンッ!」っと、面白いアイデアが頭に浮かぶ。
そんな経験はないでしょうか?
そうなんです。アイデアなどの「考える」作業は、集中して考えている時よりも、ふっと気が抜けた時の方が、良いアイデアが浮かんできやすいのです。
このために、考えることを行う段階では、「分散的」に時間を使った方がいいと考えています。
書くことで必要なのは集中力
一方で、書くときに必要なモノは何だろうかと考えると、それは「集中力」だと思います。
構想が固まり、いざ文章に書くときに求められるのは「正確(誤字脱字しないように)」に、集中して書くことだと思うのです。
例えば、文章を書いている時にスマホなどが鳴って気が散ってしまうと、文章が散漫になることはないでしょうか?
後日読んでみると、「なんでこんな文章を書いたんだ?」と思うような文を書いてしまっている。これは、「集中」して時間を使っていないからだとボクは考えています。
逆に集中して文章を書いていると、そういったミスは起こりづらいです。
仮に起きていたとしても、そこには、自分でも「お、気分が乗って文章を書いているな」と分かるほど、勢いのある文章が書かれていることが多いです。
こういった文章は、後々まで大きな修正をせずに残す場合が多く、必然的に修正の時間が割けます。
これが、「書くこと」では「集中的」に時間を使った方がいいと考える理由です。
考えることは「分散的」に、書くことは「集中的」に
前章までが、ボクが考える、小説を書く際の時間の使い方です。
小説を書くことを分けてみると、「書くこと」と「考えること」に分けられる以上、時間の使い方も分けて考えた方がいいというのが、ボクの主張です。
「なるほどな、でも実際にはどうやって使えばいいんだ?」
そんな方のために、先ほどの3段階を、ボクなりの時間の使い方をご紹介します。
小説を書く前:すきま時間を活用する
小説を書く前に必要なのは、「分散的」に時間を使うことです。時間配分でいえば、以下のようになります。
分散的:集中的=8:2
こういったように、多くの時間を分散的に使った方がいいと考えています。
例えば、「あるワンシーンのアイデアを考えたい」とします。
その場合、分散的に時間を使うと、「登下校中の歩いている間」や「電車通勤しているちょっとした時間」といった隙間時間を有効に使えます。
他にも、昼食の時間や、お風呂に入っている間、散歩の間等、「隙間時間」を活用してみるのです。
「でも、土日とか、一日中ヒマな時があるんだけど?」
そういった、集中的に時間が使える場合は、「読書をして語彙力を高めたり」、「映画を観たり」と、集中して行った方がいい作業を行いましょう。
小説を書いている最中:まとまった時間を作ろう
小説を書いている最中では、以下のような時間配分になります。
分散的:集中的=1:9
ここでは、頑張って「まとまった時間」を作って下さい。そして、集中的に本文を書き進めていきましょう。
文章を書いている最中は、「集中」できる環境を整えて下さい。これは、学生時代に勉強している時と一緒かもしれません。
「でも、すきま時間はどうするの?」
という方には、すきま時間には「構成を考えること」をしてみましょう。構成は、物語をどう見せるかに直結する大事な要素です。構成についての記事はこちら→(記事:小説の構成ってどうやるの?構成は「カメラワーク」を意識しよう)
小説を書いた後
小説を書き終わったら、時間配分はこうなります。
分散的:集中的=4:6
若干ですが、集中的に使った方がいいと思います。これは、文章を洗練させることを目的としています。
やはり、「二度、三度」と読み返した方が、文章は良くなります。特に、書きなれていない方は、この「読み直す作業」をやっておかないと、他者にとって支離滅裂な文章になっていることが多いです。
これを避けるために、なるべく多く「読み返し」を行い、文章を洗練させましょう。
そして、小説を「もっと面白くできないか?」といったことを考える時は、分散的に時間を使いましょう。
これは推敲という作業になりますが、小説を面白くするためには必要不可欠な要素です。あなたの作品が、2倍、3倍と輝くために必要な作業になります。
推敲についての記事はこちら→(記事:)
いかがでしょうか?
以上のように、小説を書くための段階と作業のそれぞれに時間の使い方を考えることで、「時間が足りない」という状況から脱することができるはずです。
そして、最後に完成させるためには「根性」も必要です。(笑)
ぜひ、頑張って、自分らしい小説を完成させてみて下さい。
まとめ
小説を書く時間がない場合は、「分散的」と「集中的」な時間の使い方を心がける。
コメント