小説の構成ってどうやるの?構成は「カメラワーク」を意識しよう

文章
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はじめに

この記事は「小説における構成のやり方」について書かれています。

この記事からわかること
  • 構成の必要性がわかる
  • 構成のやり方がわかる

小説の構成って、面倒だな…

 小説の構成作業に、そんなネガティブなイメージを持っていませんか? 確かに、構成は小説を完成させる中でも、結構面倒な作業です。

 新しいアイデアを生み出すわけでもなく、文章を書くわけでもないのですから、退屈だと思う人は多くいると思います。

 中には「小説に構成なんていらない」と思う方もいるかもしれません。確かに、その意見も正しいと思います。

 構成という作業を「無意識に頭の中で出来てしまう人」にとっては、一々、ノートなどに構成を考えること自体が面倒な作業でしょう。

 でももし、「もっと面白くさせよう。もっと良い物語にしよう。最後まで書き切ろう」そう思ったら、ぜひ「構成」を考えてみて下さい。

構成が良いのは分かったから、どうすればその構成が出来るんだよ?

 小説の構成で何が一番必要か。それは、「カメラワークを意識すること」だと、ボクは考えています。

「カメラワーク?」

 どういうことか、これから説明していきます。

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何故、構成が必要なのか?

 先ほどの「カメラワーク」の話をする前に、「何故、構成が必要なのか」という話をします。

 小説を書いていると分かる通り、「構成は必須条件」ではないのです。別に、構成をしていなくても、小説は書けてしまいます。

なら、構成って要らなくない?

 そう思うかもしれませんが、でも、ボクは「小説に構成が必要だ」ということを強調したいのです。

 それは、文章の面白さは「構成」によって決まると考えているからです。これは良書:「20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書)」で語られている一文です。

 文体の妙、文章の個性、あるいは文章の面白さ。これらを決めているのは、ひとえに構成である。論理展開である。
 同じ素材であっても、論の進め方、料理の仕方によって文章はまったく違ったものになる。火の入れ方を間違ってはいけないし、塩と砂糖を間違ってもいけないのだ

20歳の自分に受けさせたい文章講義

 ライターさんが話す構成なので、小説とは畑が違うと思うかもしれませんが、小説においても「文章の面白さ」は構成によって決まるとボクも考えています。

小説に構成って必要?
小説に構成って必要?

 例えば、「幼馴染の恋愛」について短編小説を書いてみるとします。

 同じ題材を2人の作家さんに書かせたら、必ず「違った小説」が出来上がります。似ている場面は出てきても、同じ小説だと思うことはないのです。

「そんなの当たり前じゃん」

 そう思うかもしれませんが、この「違い」を生む理由こそが「構成」なのです。

 ストーリーの展開の仕方、場面の見せ方、語り部の口調などの、「構成」をどう考えていくかは、作家によって変わっていきます。

 この違いが「小説をあなたらしくする」要素でもあり、あなたの文章が「面白い」と評価される要素でもあるのです。

 ここで「構成、構成」と一口に言っていますが、これを簡単に言えば、「読者にどんな映像として見てもらいたいのか=(語り手の視線)」だと、ボクは考えています。

 ここで、「カメラワーク」の話が出てきます。

構成は「カメラワーク」を意識しよう

 映像のない小説に、カメラという単語が出てくるのは奇妙に思えるかもしれませんが、映像が見えない小説だからこそ、「カメラワーク」を意識した方がいいと、ボクは考えています。

 「カメラワーク=語り手の視線」だとすれば、語り手が、どのような視線の動かし方で物語を進行させるのか。そんな、「カメラワーク」を意識しよう、というのがボクの主張ですね。

 先ほどの「幼馴染の恋愛」という題の短編小説をもう一度見てみましょう。

 一人の作家は、「幼馴染の男の子を主人公として、一人称視点」でお話を進めるかもしれません。語り部がそのままプレイヤーとして動いているので、近距離の「カメラワーク」での文章を書くことになります。

 そこには、「ドキドキ」「ワクワク」とした、等身大の二人の視線からストーリーが語られるかもしれません。

 一方で、もう一人の作家は、「第三者の男の子を登場させて、その子に語らせる三人称視点」で、話を進めるかもしれません。

 そうすると、前例のような近距離ではなく、一歩引いた遠距離からの「カメラワーク」になります。

 そんな「カメラワーク」では、登場人物が幼馴染二人だった時には見えなかった、恋愛の「もどかしさ」や、二人の微妙な「心のすれ違い」などを描写できるかもしれません。

 こんなように、「カメラワーク」を意識するだけで、「同じ題材でも全く違ったストーリー」の小説を書くことができるのです。

一人称・三人称も「カメラワーク」で考えてみよう

 ここまで読んでみると、「あれ、これって人称とも関わっているよな?」と、気づかれるかと思います。

 そうなんです。一人称・三人称って、小説を書いている時はどっちにしようか悩みますが、要は「カメラワーク」が近いか、遠いかの問題に分解できると、ボクは考えています。

 一人称視点ならば、「登場人物になり切ったカメラワーク」でストーリーを展開できるし、逆に、三人称視点ならば、「登場人物以外からのカメラワーク」でストーリーを表現できるのです。

 これは、どちらがいい悪いではないです。どちらにも、強み弱みというものがあります。ここで、意識して欲しいのは「カメラワーク」です。

 一人称・三人称の決定的な違いは、先ほどの例からも分かる通り、「カメラの位置」が違うのです。

 決して、「主語を私から名前に変えた」ら、三人称に変わるわけではないのです。(一見すると、変わっているように読めるかもしれませんが、違和感のある文章になります)

 そうではなくて、人称を変えるなら「カメラワーク」も変える必要があるのです。

 一人称・三人称についての記事はこちら→(記事:)

おわりに

 いかがだったでしょうか?

 小説の構成を考えることは、「読者にどう見て欲しいのか」を考えることになり、ひいては、「あなたらしい小説」につながります。

 構成を考えなくても、小説は書けますが、やっぱり構成は考えた方がいい、というボクの意見は伝わったでしょうか?

 やり方もそこまで難しくはないですよね。語り部の「カメラワーク」を意識するだけで、あなたらしい「構成」が可能になるのですから。

 そんな風に、構成を行ってみて、自分らしい小説を書いてみて下さい。

まとめ

 文章を面白くするためには「構成」は必要

 構成とは、つまり「読者にどう見せたいか=カメラワーク」を意識することが大事。

 構成を行うことで、「あなたらしい作品」につながる。

「……小説に必要な道具って、何があるんだろう?」

小説を書いていて、そんな疑問を抱えたことはありませんか?

そんな疑問に答えるために、これまでに紹介した「小説に使える道具」を【まとめ】記事として作ってみました。

 

 

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