はじめに
本記事では、「小説でのキャラクターの作り方」というものを考えたいと思います。
- 何故、小説でキャラを作るのは難しいのかわかる
- キャラを立たせるにはどうすれば良いかわかる
- 思考のクセが理解できる
小説では物語と同等かそれ以上にキャラクターの存在が重要になります。
特に”ライトノベル”や”キャラクター小説”においては、魅力的なキャラクターを展開させていくことこそ重要な要素になってきます。
そんな魅力的なキャラクターを作るにはどうしたらいいのか。
キャラクター小説を書いて8年のボクが、そのことについて考えてみました。
結論から先に書くと、小説で魅力的なキャラクターを作るには、キャラクターに”思考のクセ”を持たせること。これがボクの意見です。
何故、小説でキャラクターを表現するのは難しいのか
「小説で魅力的なキャラクターを表現するのは難しいよ……」
小説の構想を考えている時、そんな悩みを抱えたことはないでしょうか。
キャラクターを作れないのは自分の「技量」や「センス」のせいだと肩を落とす。
でも、待ってください。実はその悩みは、キャラクターの持つ性質のせいかもしれません。
ボクは小説以外にも、趣味でイラストなんかを描くのですが、キャラクターを表現するという作業は、小説が一番難しいと考えています。
それは、キャラクターというものが”視覚(ビジュアル)”に依存する存在だからです。
良書:『人を惹きつける技術』の中で、キャラクターを立てる方程式が語られています。
キャラクターが立つ=魅力的なキャラクターとしましょう。
そこには、キャラクターが立つには、「そのキャラクターを視覚的に「どう見せたいか」を考えることによって」決まってくる、と書いてあります。
つまり”キャラクターが立つ”とは”視覚”的にどう表現するか、ということだとわかります。
一方で、小説での表現方法は、当然ながら”文字”だけです。オノマトペや文体などを駆使しますが、結局は”文字”頼りなのです。
このキャラクターが持っている”視覚”に頼った存在という性質と、”文字”のみでしか表現できないという矛盾が、小説でキャラクターを表現する際の難点だと考えられます。
「みんな同じようなキャラクターに見える」「キャラが全然立っていない」と感じてしまうのも難しい話ではないと思います。
キャラクターを立てる方法は”思考のクセ”を表現すること
視覚的表現では、どうしても劣ってしまう
「それじゃあ、小説でキャラクターを立てるにはどうしたらいいんだよ?」
という次の疑問を考えたいと思います。文字だけの表現方法のため、視覚に頼ろうとした表現ではキャラが立ちづらいのは先ほど述べた通りです。
例えば美人を表現しようとして、「容姿端麗」だとか「眉目秀麗」だとか美辞麗句を並べたところで、実際に絵として美人を表現できるアニメやマンガには敵いません。
「眉目秀麗? なんかよくわからないけど、美人ってこれだろ?」と紙1枚でワンパンノックアウトです。
じゃあ、美人を表現しようとする際、小説ではどうしたらいいのか。
とことん文字で表現することが大事だと、ボクは結論づけました。
視覚的表現に負けないために”思考のクセ”を表現しよう
「え? 結局、文字で表現するのが良いってこと?」
となりますが、その通りです。ですが、ただ、文字を羅列するだけでは、先ほどの二の舞です。
なので、少しだけトッピングを加えます。
ボクは、視覚的表現に負けないように表現するためには、”思考のクセ”を表現する必要がいると思っています。
「思考のクセ? 何それ?」
思考のクセとは、キャラクターの内面を担っている中心的な核のようなものだと考えてください。
あるキャラクターがいたとします。そのキャラクターは外面と内面の2つに分けられます。
外面は、「見た目」や「姿形」などの視覚的に見える部分です。
一方で、内面とは彼の「趣味嗜好」や「苦手なもの」などの目に見えない部分のことです。
この「内面」の一番核となるのが、思考のクセです。
性格や考え方などは、突き詰めれば思考が持つクセによって表現されるとボクは考えています。
この思考のクセこそが、内面において一番重要なものとなります。
思考のクセの違いがキャラクターの違いになる
「結局、キャラクターの内面を充実したものにしろってこと?」
はい、その通りです。身もふたもない表現ではこうなります。
しかし、この部分こそが小説におけるキャラクターの作り方において、一番重要になると思います。
例えば、先ほどの美人なキャラクターを題材にとってみると、視覚的表現ではキャラが立ちづらい。
なので、その視覚的部分は「美人だ」くらいに留めておきましょう。
人間の脳は不思議なもので、「美人だ」と表現されれば、あとはどんな美辞麗句も気にせずに脳内に「自分の理想なキャラクター」を思い浮かべます。
参考にするのは、せいぜい髪の長いとか、泣きほくろがあるとか、そんなところです。
それでいいと思います。文字で視覚的表現を補おうすること自体に無理があるのですから。
そんなことはすぐに終わらせてしまい、あとは「思考のクセ」を徹底的に表現しましょう。
自分の美人な顔を「どう思っているのか」、「どんなところが好き」で、「何が不満なのか」。
周りの人にはどう見られていると思っているのか、等々。色々と出てくる内面について滔々と記述していきましょう。
この思考のクセを深く掘り下げることで、キャラクター同士の思考のクセの違いが明らかになります。
この違いこそが、キャラクターが立つということであり、そして、小説における魅力的なキャラクターを作る行為につながるのです。
これが、小説におけるキャラクターの作り方の核となる部分です。
次の記事では、そのキャラクターの作り方のコツをご紹介していますので。気になったら、こちらの記事を読んでみてください(記事:キャラクターの作りのコツ 魅力的なキャラクターはこう作ろう)
まとめ
小説において、魅力的なキャラクターを作るには視覚的表現で攻めても難しい。
なので、キャラクターの内面の核になる”思考のクセ”を徹底的に表現することにより、キャラクターを立たせること必要。
魅力的なキャラクター作りは”思考のクセ”で決まる。
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「なんかコイツ、エラそうなこと言ってるけどなんなの?」
ご紹介が遅れましてすいません。実はweb上にて小説を投稿している者です。
こんなエラそうに言っているやつが書いている小説、読みたくないですか?
もしよかったら、白玉いつきが書いた小説を読んでみてください
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