創作キャラに使える苗字の作り方|リアリティのある苗字の特徴とは?

キャラクター
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はじめに

 この記事は「キャラクターの苗字を創作したい方」に向けて書かれています。

この記事からわかること
  • 苗字と名前の作り方の違いがわかる
  • リアリティを持った苗字を創作できる

キャラクターの苗字って、どうやって作るの?

なんか、作った苗字がウソ臭いんだけど

 実は、苗字を創作することは、名前を創作すること以上に難しい作業です。変な苗字を付けてしまうと「なんか変」「おかしい」といった疑問を読者に与えかねません。

 ストーリーやキャラクターが良くても、ヘンテコな苗字では物語が台無しです。そうならないためにも、適切な苗字の作り方が必用です。

 では、どうするか。

 リアリティな苗字を作るためには「小さなホントを織り交ぜること」が必要だと考えています。

 どういうことか、これから説明します。

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名前は大丈夫でも苗字はダメ?

 苗字を作る作業は、名前を作る作業よりも奇妙なことです。

 何故なら「名前は考えるものだが、苗字は与えられるもの」だからです。

苗字と名前の作り方の違い
苗字と名前の作り方の違い

 名前は親が考えて付けてくれることに対し、苗字は祖先の物をそのまま踏襲します。つまり苗字を1から考えることは、普通はしないのです(帰化する場合を除く)。

 普段しないことだからこそ、苗字を作る作業は、名前以上にリアリティを持たせないと「なんか変だな」「おかしい苗字」と読者に思われてしまいます。

 では、リアリティを持った苗字をつくるためにはどうするか。

 「小さなホントを織り交ぜること」だとボクは考えています。

苗字作りに小さなホントを織り交ぜる

小さなホントって何だよ?

 小さなホントは色々とありますが、ボクが一番オススメしているのは、苗字の成り立ちから考えることです。

 苗字の成り立ちから、同じ過程を通して苗字を作ってみるのです。

 苗字自体はウソですが、苗字の成り立ちは小さなホントです。珍しい苗字を創り出した時などは、一緒に成り立ちを説明すれば、リアリティのある苗字になります。

 この例で、一番ぴったりくるのが、『化物語(著:西尾維新)』に出てくるキャラクターの苗字でしょう。

苗字にリアリティを持たせるには?
苗字にリアリティを持たせるには?

 『戦場ヶ原』や『八九寺』などの苗字は、実際には存在しません。しかし、2つの苗字は、「苗字の成り立ち」から考えれば「あり得るな」と思わせる苗字なのです。

 例えば、『戦場ヶ原』は栃木県の日光国立公園内にある高層湿原の名前として実際にあります(引用:日光市観光協会公式サイト)。

 その名前を苗字として使うのは、後述する苗字の成り立ち①地名に由来するものと同じ過程で作られています。

 また、『八九寺』という苗字も、成り立ちから考えられます。これは、苗字の成り立ち②地形や建造物に由来するものから作られています。

 この際の文章は描写としても素晴らしいので、少し本作から引用させていただきます。

 忍野メメとの通話にて

「えーっと、それから、阿良々木くん。八九寺っていうのはね、これはそもそも、竹林の中にあるお寺のことを、指し示す言葉だったんだ。正しくは、『八九』ではなく、『淡い』『竹』で、淡竹という。淡竹寺。ほら、竹って言えば、まずは孟宗竹と淡竹の二種類だろう? また、淡竹は、『淡竹の勢い』の『淡竹』ともかかっているよね。この場合はあんまり関係ないんだけれど――それを十中八九の『八九』と置き換えたのは、うん、言ってしまえばただの言葉遊びなんだよ。

化物語(上),p186

 どうでしょうか? 八九寺という苗字が実際に存在していなくても、その苗字には妙なリアリティがあったと思いませんか? 

 もちろん、ここまで絶妙に読者にリアリティを与えられるのは西尾維新先生の技術の賜物ですが、中身をシンプルにすれば、「成り立ちから苗字を考える」ことになります。

リアリティのある苗字の作り方

 前述から、苗字は成り立ちから創作すると、リアリティある苗字になることがわかります。

 以上が、リアリティのある苗字の作り方なのですが、これだけでは情報が少ない気もするので、少しだけ苗字を考えるための方法をご紹介します。

良書:『なんでもわかる日本人の名字』では、苗字の成り立ちが書かれています。種類はたくさんありますが、その中でも代表的なものを4つピックアップしてみました。

  • 地名に由来するもの
  • 地形や建造物 〃
  • 方位や方角 〃
  • 職業 〃
苗字の成り立ち4パターン
苗字の成り立ち4パターン

 この中から2つだけ、ご紹介します。

1. 地名から苗字を作る

 苗字の中で一番多いのが、地名から作る方法です。「田中」や「中村」などといったものは、地名が由来らしいです。 地名から苗字を作る例としては

  • ①実在する地名から苗字を作る
  • ②架空の地名から 〃
  • ③旧国名から 〃

 などがあります。

 ①実際に地図帳に記載されているものから、苗字を創り出す方法です。実際にある地名なので、創り出した苗字には説得力があります。上記の『戦場ヶ原』もこの方法ですね。

 ②作中に登場させた架空の地名から苗字を考えるのもありです。地名も苗字もウソですが、その成り立ち(ホント)を丁寧に説明することでリアリティを持たせることができます。

 ③またボクは「旧国名」で苗字を作ることもオススメします。

 旧国名には「陸奥」や「近江」など、苗字映えしそうな漢字がたくさんあります。この中から気に入った漢字を使って、苗字を考えてみるのもオススメです。

 旧国名についてまとめているサイトはこちら→日本の旧国名

2.地形や建造物から苗字を作る

 「山」や「川」などの地形から苗字が作られることがあります。「山本」や「井上」等がこれにあたります。こういった、地形から苗字を作ることもオススメです。

 『八九寺』もお寺からの連想で作られていたことが分かりましたね。

 その他にも、神社の下(宮)に家があるから「宮本」や、大きな川で「大川」など、連想ゲームのようにして苗字を考えていくのです。

(なんでもわかる日本人の名字,p67)

以下に、地形や構造物で使えそうな漢字を記載しておきます

川・河
湊・港 

おわりに

 この他にも、苗字の成り立ちはたくさんあります。もっと凝った苗字を作りたいという方は、一度、苗字の成り立ちを調べてみてはどうでしょうか?

まとめ

 苗字は、名前以上にリアリティを持たせるのが大変。

 苗字にリアリティを持たせるためには、小さなホントを織り交ぜること。

 ボクがオススメなのは『苗字の成り立ち』から苗字を創作すること。

「……名前って、どう作ればいいの

小説を書いていて、そんな悩みを抱えたことはありませんか?

そんなお悩みに答えるために、これまでに紹介した「キャラクターの名前・苗字のつくり方」の【まとめ】記事を作ってみました。

 

 

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