はじめに
この記事は「小説の書き方に困ってしまった初心者の方」に向けて書かれています。
- 小説を書く作業には2つあることがわかる
- 書くときに意識することがわかる
- 推敲するときに意識することがわかる
「初めて小説を書いてみたけど、上手くいかない」
「もっと上手く書けるようになりたい」
小説を書き始めてみると、様々な困難に出くわします。中でも、書き方に困るということが多くあります。
小説の書き方に答えはありませんし、色々と試行錯誤が必用な作業ですが、もし、1つだけ初心者の方にオススメするならば、「面白さと正しさのバランス」を意識して書くことをオススメします。
「面白さと正しさのバランス? 何それ?」
どういうことか、これから説明していきます。
小説を書く作業は2つに分類される
小説を書くという作業は、大きく分けて2つあると考えています。
- ①初めて文を書く作業
- ②書いた文を推敲する作業
①は、初めてパソコンに物語を書いていく作業です。それまでにプロットや構成を考えていてもいなくても構いません。
初めて書くという作業ならば①になります。
②は、①で書いた文章を読みやすくしたり、意味が通るようにしたり推敲する作業です。
人は必ずミスをするもので、誤字脱字はどうしても現れます。なので、この②の作業も小説を書く上では重要な作業になります。
面白さと正しさのバランスを考える
さて、小説の方が書き方に悩むとすれば、この①と②に対しての「面白さと正しさ」の求めるバランスが崩れてしまうことから起こるのではないかと考えています。
「思うように書けない」
「書いていて面白くない」
といった不満は、「面白さと正しさ」のバランスが崩れてしまい、自分で自分を苦しめている状態だと考えられます。
本来ならば「面白さ」を優先するときに「正しさ」を求めてしまい「書いていても面白くない」という状態になったり。
あるいは「正しさ」を優先するときに「面白さ」を優先してしまい「支離滅裂な小説」を書いてしまったり。
この2つのバランスが崩れた時に、「書くことに困難を感じる」のです。
そしてボクからのアドバイスは「まずは面白さを優先し、あとから正しさを優先する」ことです。
つまり、
- ①初めて文章を書く作業:「面白さ」を優先
- ②文を推敲する作業:「正しさ」を優先
ということです。
初めて書くときは面白さを優先する
「だから、正しさと面白さって何だよ?」
この「正しさと面白さ」を説明するために、自分が見た映画を紹介する場面を想定してみましょう。
居酒屋で同僚に話す場面でもいいし、恋人に話す場面でも構いません。
そんな、私とあなたがいる場面を想定します。
面白さを優先したら
①の場面で、面白さを優先した際、きっとこんな会話になるでしょう。
オレ「オレさ、実は最近、初めて『千と千尋の神隠し』を観たんだよね」
あなた「え? ホントに? どうだった?」
オレ「いや、それがもう本当に面白かった。途中から、千尋に感情移入しまくりでさ、もう最後は号泣」
あなた「わかる、あれは本当に名作中の名作だよ」
オレ「オレ、今までジブリ作品に全然、手を出してなかったんだけどさ、色々と観てみようかな」
あなた「いいじゃん、絶対そうした方がいいよ。なんかオススメとか教えようか?」
オレ「ホントに? ありがとう」
文章の良し悪しは置いといて、二人の話が盛り上がっていることがわかりますか?
①の場面で「面白さ」を優先できると、書いていても面白いし、文章もどんどんと盛り上がっていくのが分かります。
そして、この盛り上がりという感情は、読者にも伝わります。書いている人が「面白い」と思っていることが、文章を通して読者にも伝搬するのです。
正しさを優先したら
一方で①の場面で「面白さ」よりも「正しさ」を求めてしまったらどうなるでしょうか。
オレ「オレさ、実は最近、初めて『千と千尋の神隠し』を観たんだよね」
あなた「え? マジで? それ本気で言ってる?」
オレ「うん? いやまあ、実際には初めじゃないんだけど、小さい頃だから覚えてなくてさ。……だから、見たのは実質、初めてだよ。
それでさ、映画見てたらさ、途中から、千尋に感情移入しまくりでさ、もう最後は号泣」
あなた「ホントに? 大の大人が号泣することなんてある?」
オレ「え? まあ、号泣はちょっと盛ったかな。……でも、本当に久しぶりに泣いたのは確か何だよ。それでオレ、今までジブリ作品って全然、手を出してなかったんだけど、色々と観てみようかな」
あなた「マジで何も観てないの? 一つも? あれだけ金曜ロードショーでやってるのに?」
オレ「……いや、確かに少しは観た。紅の豚とかナウシカとか。でも、全体を通して観たことはないから。結末とかも知らないし。それで、なんかオススメある?」
あなた「ググった方が早いし、色んな情報がたくさん出てくるよ」
オレ「……そうだね」
どうでしょうか? この正さを求めた結果の雰囲気は伝わるでしょうか?
これは会話として、疑似的に表現していますが、あなたが執筆する際にもこれと同じことが起こっています。
今は「面白さ」を求めて書く場面なのに、正しさが邪魔をしてなかなか小説が盛り上がらない。
言っていることは正しいんだけど、でも、小説はフィクションであるから、「正しさ」よりもまずは「面白さ」が先に立たなくてはいけない。
これが、ボクが言う「面白さと正しさ」のバランスです。
推敲する作業は「正しさ」を優先する
先ほどの会話での例のように、①の初めて書く作業では、「面白さ」を優先した方が、執筆作業ははかどります。
少々の矛盾やミスは後に置いておいて、まずはあなたが面白いと思いながら書けるようにしましょう。
「じゃあ、矛盾だらけの文章で良いわけ?」
ここまで読めば、そんな疑問が出てきます。
①の段階では、あくまで「自分」が面白いと思って書くことでした。しかし、その小説を読者が読んだら「なんだこれ?」という感想を抱くと思います。
読者の方に読んでもらえるためには「正しさ」を求める必要があります。
その作業は、②の推敲する作業で「正しさ」を求めるようにしましょう。
今度は、先ほどの会話の逆です。
「意味不明な文章はないか」「誤字脱字はないか」「変な文章はないか」等。
②では、自分の小背うを疑いの目を持ちながら読んでみる。そして、小説内の矛盾を取り除いてく作業をして行きましょう。
もちろん、会話が盛り上がらなくなっては意味がありませんから、「面白いかつ正しい」ようになるように、推敲を重ねましょう。
そうすれば、小説を書いていて面白くもあるし、読者が読んでいても理解できる小説が出来上がります。
この推敲に関しては、次の記事に詳しくまとめていますので、気になったら読んでみて下さい。(記事:)
以上が、ボクがオススメする初心者の方の小説の書き方です。「面白さと正しさのバランス」を意識しながら、小説を書いてみましょう。
まとめ
小説を書く行為は2つに分類される。
①文章を初めて書く作業では「正しさよりも面白さ」を求めて文章を書く。
②書いた文章を推敲する作業では、「正しさ」の眼差しで読み返してみる。
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