はじめに
この記事は「ファンタジー小説でのリアリティの作り方」について書いています。
- 大きなウソと小さなウソの違いが分かる
- リアリティーの作り方がわかる
「作った小説が作り物っぽいな」
「リアリティがない気がする」
ファンタジー小説を書いていて、そんな悩みを抱えたことはありませんか?
ファンタジー小説はたくさんの人が執筆している人気ジャンルです。しかし、だからといって、書くのが簡単なジャンルではないですよね。
ファンタジー小説を書く際に、一番難しいと感じるところ。それは、「リアリティ」を出す、ということではないでしょうか。
ファンタジーは魔法や異世界など、多くのウソ(虚構)を含んでいるため、リアリティを出すことは難しいジャンルです。
いかにリアリティーを持たせ、読者を小説の世界観へと惹き込ませられるか。
面白いファンタジー小説を書く多面はそれらが求められます。
では、どうやって、リアリティーを持たせるか。それは「大きなウソと小さなホントで物語を塗り固めること」だと、ボクは考えています。
どういうことか、これから説明していきます。
大きなウソ 小さなウソ
ファンタジー小説は、言葉が悪いですが、ウソ(虚構)が多く詰まった作品だと言えます。
流行りの異世界転生や魔法やドラゴンなどは、想像上のものであり、フィクションです。
これらのウソ(虚構)を、いかに読者に違和感なく読んでもらえるか。それが、ファンタジー小説に必要となってきます。
読者は何に違和感を感じるか?
ここで、質問です。
先ほどの魔法やドラゴンに対してあなたは違和感を持ちましたか?
恐らく、大抵の人が違和感を覚えなかったのではないでしょうか?
何故なら、これらは小説上の設定として括られており、この設定は物語の前提だと捉えたからです。
このように、異世界や魔法などの大きなウソ(虚構)は物語の前提として、読者に受け入れられることがわかります。
一方で、こちらはどうでしょうか。
- 異世界に飛ばされた主人公が、現地の人と普通に話している。
- 初めて魔法に触れるくせに、難なく使いこなしている。
- 異世界に、すぐに順応する。
先ほどに比べて小さなウソを考えてみました。
程度の差はあれ、これらに対して「ん?」と疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。
読者からすれば、「まあ、異世界はこんなもんだろ」と設定としてとらえる人もいれば、「いや、流石に異世界で話が通じるのはおかしいだろ」と疑問を持つ人もいます。
大きなウソには寛容 小さなウソには敏感
このように、大きなウソでは受け入れられていたものも、段々と小さなウソになっていくうちに、「なんだこれ?」と読者に違和感を与えてしまうのです。
読者は、大きなウソ(虚構)には寛容だが、小さなウソ(虚構)には厳しい、ということがわかります。
そこでこの「大きなウソ」「小さなウソ」問題を解決することが、リアリティーのあるファンタジー小説の書き方につながります。

リアリティのあるファンタジー小説の書き方
上記のことから、ファンタジー小説にリアリティを持たせる方法が分かります。
- 設定として読者に認知してもらう
- 小さなウソをホントに変える
読者に大きなウソとして認識してもらう
①に関しては、ウソを設定として組み込んでしまう方法です。
上記の例でいえば、「言葉が話せるのは〇〇で、魔法が使えるのは△△」だということを冒頭で説明してしまうパターンです。
もちろん、そのまま設定を羅列するだけでは読者に受け入れらませんから、見せ方(構成)も必要です。
また、それ自体を「謎」として読者に提供することもありです。
「言葉が話せるのは謎だが、それが中盤以降になって、徐々に解明されていく」といった、サブストーリーとして物語に組み込んでみるのです。いわゆる伏線回収ですね。
そうすると、読者はストーリーも楽しめるし、サブストーリーで「なるほど!」と二度楽しめることになります。
小さなウソをホントに変える
②は、小さなウソをホントに変えてしまうことです。
小さなウソを設定として盛り込めない場合は、小さなウソをホントに作り替えることが、小説にリアリティを持たせることにつながります。
先ほどの例でいえば、「現地の人とは、初めは全く言葉が通じず一苦労するが、魔法によって、後半からは話せるようになる」とか、そういったホントを加えていく。
「でも、それじゃあ、物語の進行が……」
外国に行くとわかりますが、割と言葉が通じなくても意思疎通はできます。その「あたふたとする」、通じない過程をストーリーとして見せるのも面白いでしょう。
また魔法の例では、魔法をすぐに使えるようするのではなく、本来の武術や知識と同じように、修練によって身に付けさせるようにする。或いは、そもそも主人公だけは魔法が使えないようにしてしまう。
こんな形で小さなウソをホントに変換しすることでファンタジーにリアリティを持たせてられます。
いかがでしょうか? 以上が、ボクが考えるファンタジー小説にリアリティを持たせる方法です。
まとめ
読者は大きなウソ(虚構)には寛容だが、小さなウソには敏感である。
ファンタジー小説にリアリティを出すためには、①ウソを設定として読者に認知させる ②小さなウソをホントに置き換える。
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