はじめに
この記事は「小説のタイトルの付け方」について書かれています。
- タイトルの付け方がわかる
- 自分らしいタイトルを付けるようになる
「タイトルって、どうやって付けるんだろう?」
小説を書く前、或いは、書いた後に、そんな疑問を持ったことはないでしょうか?
できれば、アッと言わせるような、素晴らしいタイトルを付けてみたいけど、でも、それは一体、どういうものなのかが分からない。
タイトルは、書いた小説を表すのにとっても重要な要素です。
あなたの作品が誰かに読まれ、それが「いいね!」となった時、真っ先に広がるキーワードが、小説の「タイトル」だと思います。(それか、主人公の名前です)
ならば、そのタイトルも「魅力的な物」にしたいですよね。
しかし、これが難しい。実はボクが一番難しいと思っているのが、タイトルの付け方だと思っています。
これほど難しい作業があるかな、と思うくらい、ボクはタイトルの付け方が苦手です。
そんなボクでも、小説を書き上げれば、必ずタイトルを付けなければいけません。(良い案が思い浮かばなくても、残念ながら無記名ではだめなのです)
そこで、ボクがタイトルを付ける際に意識していることがあります。
それは、「タイトルを読んでみて、小説のイメージが湧くか」どうかです。文字数とか、入れるべき単語とか、そう言ったモノよりも、「イメージ」が重要だと思っています。
どういうことか、これから説明していきます。
タイトルから、その小説のイメージが湧くか
タイトルを考える時、どんなことをイメージして決めているでしょうか?
色んな意見があるかと思いますが、ボクは、小説のタイトルは「企画書」と同じだと考えています。
つまり、自分の小説を知らない第三者に、「こんな面白い小説がありますよ!」と提案する際に作る書類と同じだと考えているのです。
「企画書」で一番大事なことは「分かりやすさ」だと思います。
いくらいいアイデアを思いついていても、それが「分かりづらかった」ら、相手にその良さが通じません。
それと同じで、小説においてもタイトルは「分かりやすさ」を求めた方が良いと思うんです。
例えば、今は小説投稿サイトが沢山あって、そこには沢山の小説があります。その中で、読者が自分の好きそうな小説を探す時に何を基準として探すか。
それは、「タイトル」に自分の好きそうなキーワードが入っているかどうか、だと思うんです。(ランキングから探す、という方法もありますが)
もちろん、すべてがそうとは言いませんが、中身を読んでもらうことが一つの勝負である投稿サイトでは、「分かりやすく」自分の小説をアピールできている方が有利です。
事実、投稿サイトの上位の作品のタイトルを見てみると、読んだだけで、その内容が分かるような作品が沢山あります。
試しに、カクヨムの中で累計上位作品をピックアップしてみます。
- 誰にでもできる影から助ける魔王討伐/槻影
- この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる/土日 月
- 豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい【WEB版】/合田拍子(グルグル魔)
- 異世界でチート能力(スキル)を手にした俺は、現実世界をも無双する~レベルアップは人生を変えた~【旧題:レベルアップは人生を変えた(仮)】/美紅(蒼)
- デーモンルーラー ~定時に帰りたい男のやりすぎレベリング~/一江左かさね(1エモン)
引用:総合の累計ランキング;カクヨム
どうでしょうか? 一読して、どんな内容の作品なのか分かるのではないでしょうか。
このように、タイトルは「分かりやすさ」を第一に考えた方がいいのではないかと、ボクは考えています。
タイトルの付け方
分かりやすさ=「イメージ」できるかどうか
前章までに、タイトルを付ける際のポイントをご紹介しました。
「でも、分かりやすさって、結局何なの?」
良書:「考具 ―考えるための道具、持っていますか?」の中では「企画は必ず「絵」になる。立体的に考えてみる」とあります。小説のタイトルも「絵」、つまり「ビジュアライズ」出来ることが望ましいと思います。
つまり、自分の小説の内容が「イメージできる」タイトルになっているかどうか。そんなタイトルを目指すと良いと思います。
マンダラートを使って、小説の要素を抜き出す
「そんなことは分かったから、早くタイトルの付け方を教えろよ」
次からは、実際にタイトルをどうつけていくか、を考えてみたいと思います。「ビジュアル」を求めたタイトルの付け方は、どういったものが良いのでしょうか。
ボクは「マンダラート」を用いて、小説の要素を抜き出していくのが良いと思います。抜き出した要素から、イメージしやすい単語を並べてタイトルにするのです。
マンダラートとは、九つのマスの中心に「テーマ」を書いて、周りを「解答」で埋めていく考具です。
今回の例では、真ん中に「自分の小説の要素は何か?」と書き、周りの8マスにそれらを埋めていくのです。
一例として、ボクが書いた小説のマンダラートをお見せします。
シリアス | 殺人鬼 | 高校生 |
ウソ | Q.この小説の要素は何か? | 先輩 |
トラウマ | 生き方 | 切ない |
ざっと8つの要素を出してみました。その中で、特に自分の小説を表している物をピックアップして、ボクはこうタイトルを付けました。
「ウソつきは××××のはじまり」
元々は、「ウソつきは殺人鬼のはじまり」としていたのですが、ちょっと露骨すぎるかな、ということで「殺人鬼→××××」に変更して完成です。
これが良いと、個人的に断言はできませんが、まあ、悪くはないでしょ、ということで結論付けています(笑)。
きっと、タイトルのセンスがある人は、この方法を使うことで、もっとカッコイイ物や素晴らしいタイトルを付けられると思います。
マンダラートのメリット
「でもこれって、箇条書きでも良くない?」
そう思うかもしれませんが、このマンダラートの良さは、「空白があると埋めたくなる」という欲求を利用しています。
箇条書きだと、下にいくらでも書き連ねていけます。それこそ、「2,3個でも良いし、10個100個でも良い」のです。でも、前者だと少なすぎるし、後者だとまとめるのに苦労します。
しかし、マンダラートならば、初めから「8つ」と決めて要素を抜き出すことができるのです。
2個とか3個とかならば、残りの「空欄が気になって埋めよう」とします。脳みそが、その空欄を埋めたがるのです。
こうして埋まった8つならば、多すぎず少なすぎなくて良いかな、と個人的に思っています。
もし、抜き出した8つの要素では、タイトルのイメージが浮かばないようなら、さらにもう一度マンダラートを書いてみて下さい。
中央のマスには、例えば「高校生」とか、別のテーマにしてみて、そこからさらに8つの要素を出してみるのです。
このようにして、抜き出した要素から、「自分なりのタイトル」を考えてみて下さい。きっと、気に入ったタイトルになるはずですよ。
タイトルは長文の方がいいのか?
「タイトルって、長い方が良いの?」
最近の傾向としては、「長文」のタイトルが増えてますよね。先ほどのカクヨムの例も、長いものがほとんどです。
これだけ見ると、「タイトルは長文にしなくちゃ!」と思うかもしれませんが、そんなことないと思いますよ。
長文になっているのは、あくまでも分かりやすさを求めた「結果」であって、分かりやすく出来るならば、一言だって良いと思います。
夏目漱石の心なんていうタイトルも、すっごい短いですけど「分かりやすくていい」ですよね。ボクの好きな小説では「化物語/西尾維新」や「四畳半神話大系/森見登美彦」なども短いタイトルですよね。
それでいて、小説の内容をちゃんと想起できるので素晴らしいタイトルだと思います。
しかし、「短いタイトルは付けるのが難しい」のも事実です。大量の情報を短い文にまとめるのですから、そりゃ難しくなります。
それを困難と感じるならば、やっぱり文字数を使って「分かりやすく」したタイトルの方がいいんじゃないかな、とボクは思います。
まとめ
タイトルは「企画書」と同じで、「分かりやすさ」を求めたものにするとよい。
分かりやすさとはつまり「イメージ」できるかどうか。
マンダラートを駆使して、小説から要素を抜き出して、内容がイメージできるタイトルを付けよう。
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