はじめに
この記事は「1日〇〇文字、必ず書く!という文字数の呪縛に囚われている人」に向けて書かれています。
- 1日〇〇文字以上の呪縛から逃れられる
- 小説を書くこと以外に大切なことがわかる
- 毎日書くことの本当の意味がわかる
検索するとよく見かける「小説は1日〇〇文字以上書くこと」というアドバイス。これが、まことしやかにささやかれています。
確かに、毎日書けることは素晴らしいですが、ボクは必ずしも1日〇〇文字以上書くことが適切とは思えません。
何故なら、小説の「本文を書くという行為は小説の一部分にすぎない」と考えているからです。
書く以外にも、小説にはやることがたくさんある。
それを無視して「1日〇〇文字書けば良い小説が書ける」というスタンスだと、執筆活動が上手くいかない可能性が高いです。
書くこと以外にも力を入れてこそ、あなたの小説が良いものになっていくと考えています。
そんな、文字数のお話です。
小説を書く前・書いている最中・書いた後
小説家になるには「1日、〇〇文字以上書け」といったアドバイスをよく耳にしますが、これは半分正しくて、半分外れだとボクは考えています。
何故なら、小説を完結させることには、書くこと以外にも要素があるから。「1日〇〇文字書く」という行為が、小説の全てではないからです。
ここで、小説を完成させる作業を以下の3つに分類したいと思います。
- ①小説を書く前
- ②小説を書いている最中
- ③小説を書いた後
この3つの段階を経て、小説は完成することはわかると思います。
①小説を書く前
まずは、小説を書く前に色々と構想練る作業です。どんな作品にするのか、どんなストーリーでどんなキャラクターを出すのか。舞台はどこで、どうやった結末が良いのか。
こういったことを、事前に準備して置かないと濃い内容の小説は書けません。
②小説を書いている最中
そして、①が十分だと判断したら、実際に執筆活動を始めます。①が十分に練れていれば、この段階は「コツコツと書くだけ」の作業になります。
①がしっかりしていれば、奇抜なアイデアとか、抜群の才能とかは必要なく、ただ、修練によってのみ上達する部分だとボクは考えています。
③小説を書いた後
小説を書き上げても、コレで完成ではありません。
ここからは「支離滅裂な文章はないか」「もっと面白くできないか」といったことを推敲する作業が必用です。
もしかしたら、もう一度①を繰り返すかもしれません。そうやって、書いた小説をもっと良いものにする作業です。
この①~③を通すことで、晴れて小説が完成します。
ここで分かることは「1日〇〇文字書く」というアドバイスは、主に②に関して努力しろ、と言っていることが分かると思います。
一方で、小説には①や③など大切な要素がある。だから、ボクは「1日〇〇文字書くことだけに縛られてはいけない」と考えています。
文字数の罠 「1日〇〇文字書く」ことの本当の意味
先ほどの説明から小説を「1日〇〇文字書く」ことは、小説を完成させる上で、大事だけどすべてではないことがわかります。
つまり、書く以外にもやらなくてはいけないことが、小説にはたくさんあるのです。
それを知らないで「そうか、小説家になるには1日〇〇文字書けばいいんだ。オレ速筆だから簡単だよ」
そう思い執筆に取り掛かり、途中で「矛盾」や「アイデアの枯渇」から抜け出せずに、「書けない」と断念してしまうことが多々あります。
「1日〇〇文字以上書く」ことは、小説の一部分。これは、わかってもらえたでしょうか?
「じゃあ、1日〇〇文字必ず書くことは無意味なのかよ!」
と反論されそうですが、そんなことはありません。毎日書くことで身につくことがあります。
小説を書き続ける上でとても重要なことです。
それは「苦痛なく文章を書き続けられる習慣」を身に付けられることです。
小説を書くことが、「手洗い」や「歯磨き」や「運動」のように、「当たり前」として苦なく続けられるようにするために、毎日書くのです。
「書くこと」に苦痛を感じず執筆できるか?
「苦痛なく文章を書き続けられる習慣? なんだよ、それ?」
初めて小説を書き始めた時、目標の文字数を超えられずに「苦しんだ」経験はありませんか?
それは1千字でもいいし5千字でも1万字でも構いません。その目標を到達するためには、相当の努力が必要だったと思います。
これが、小説を毎日書き続けていると「あれ? もう3千文字もいってるよ」といったように、難なく乗り越えられるような瞬間が来ます。
これが、ボクのいう「苦痛なく文章を書き続けられるか?」という問いの答えです。
そして、これが「毎日、小説を書くこと」の意味でもあります。
つまり、書くことに対して「当たり前」だと思って、「苦も無く」執筆活動ができるかどうか。その力を蓄えるために「毎日書く」ことが推奨されているのです。
「書くことを習慣化する」とも言えます。
書くことを習慣化することが本当の目的
「書くことを習慣化?」
そうです。どんな時でも、アイデアが思いつき構想が練れれば、苦もなくキーボードを弾けるかどうか。そのための習慣化として「毎日書くこと」が必要になってきます。
良書:『「続ける」習慣』の中では、習慣化するためには毎日行動をすることが必要だといわれています。そうすることによって「脳が拒否」することがなくなり、その行動が「当たり前」と捉えられるようになる。
その習慣化を手に入れるためには「1日に〇〇文字以上書く」ことがアドバイスとして言われるのです。それが、毎日書くことの本当の理由だとボクは思っています。
小説の習慣化を身に付けるための記事はこちら→(記事:)
書くこと以外にもやることはたくさんある
ここまで読めば、書くこと以外にもやることはたくさんあることがわかります。
①では、アイデアをたくさん集めること。ストーリーの見せ方(構成)や、キャラクターの作り方も必要になってきます。ネタ帳の書き方はこちら→(記事:小説に必要なネタ帳の書き方|アイデアに困らないためにやりたいこと)
また③では、推敲する力も必要です。「この文で通じるのか?」「これは面白いのか?」そういった疑いの眼差しをもって、もう一度自分の小説を読み返すことが必要になります。
このように、自分の小説をよりよくしようとしたら、書くこと以外にもやることがたくさんあることが分かります。
そんなことをしていると、「書くこと」が1日もない日が出てくることもあります。ボクは、それでいいと思っています。
「小説に関わっている時間が毎日ある」だけで、十分です。
毎日書くなんて馬鹿げてると言いたいのではありません。
「アイデアを練る」ことも「推敲する」ことも、一緒くたにして「書くこと」と捉えないで分けて考えた方が、良い小説を書くことにつながるといいたいのです。
毎日書くことが苦痛で、そのことに囚われ、貴重な執筆活動を無駄にするくらいなら、書かない日があっても良いでしょう?
まとめ
小説を完成させる作業は、いくつかの作業に分かれており、「書くこと」はその一部分に過ぎない。
「1日、〇〇文字書く」ことの本当の意味は「書くことに苦痛を感じないための習慣化」である。書きたいことができたら、苦も無くキーボードを叩けるか。
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