はじめに
この記事は「小説における魅力的なセリフの作り方」について書かれています。
- 魅力的なセリフの要素がわかる
- 魅力的なセリフを作るアプローチがわかる
「有名になるような、カッコイイセリフを考えたい!」
小説を書いている時に、そんなセリフ欲に駆られたことはないでしょうか?
名作といえるものの中には、沢山の有名なセリフが残されています。
ではここで一歩引いてみて、そんな「魅力的なセリフ」は作ることができるのか、という問いを考えてみたいと思います。
ボクの結論から言えば、「魅力的なセリフを考えるためのアプローチは存在する。ただし、その魅力的なセリフを考えつけるかは作者次第」だと思っています。
それでは、さっそく記事に入っていきましょう。
魅力的なセリフとは?
まずは「名台詞」と言われるようなものはどんなものかを見てみましょう。
「【漫画】人気アニメの有名なセリフ・台詞まとめ」というサイトさんから、有名なセリフをいくつかピックアップさせていただきました。
「安西先生...バスケがしたいです」(スラムダンク;三井寿)
「ウソみたいだろ、死んでるんだぜそれ」(タッチ;上杉和也)
「見ろ!人がゴミのようだ!」(天空の城ラピュタ;ムスカ)
「・・・飛ばねぇ豚はただの豚だ」(紅の豚;ポルコ)
「逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。」(エヴァンゲリオン;碇シンジ)
どうでしょうか。誰でも一度は聞いたことのある「名台詞」だと思います。
このセリフを聞いただけで、「キャラクターがどんな場面でそのセリフを話しているのか想像できる」のではないでしょうか?
そうなんです。それこそが、「魅力的なセリフ」に必要な要素だとボクは考えるのです。
つまり、魅力的なセリフと言われるものには
- セリフに適したキャラクターが
- セリフに適した場面で
話していることが分かります。
不良となってしまった三井だけれども、本当はバスケがしたくて発したセリフや、普段はお茶らけている和也が、弟の死を目の当たりにして淡々と話すセリフなど。
名台詞と言えるものは「キャラクター」と「場面」がはっきりと頭に浮かぶことがわかります。
つまり、「魅力的なセリフ作り」には「キャラクター」と「場面」を丁寧に作ることが重要だと、ボクは考えています。
セリフとキャラクターは切っても切り離せない
まずは「キャラクター」について考えてみましょう。
当たり前のことに思うかもしれませんが、セリフを良くしようと思ったら、「キャラクター」をしっかりと考え込んでいく必要があります。
どんなキャラクターがどんなセリフを口にするのか。それを考えるためには、キャラクターを十分に考え込んでいないと良いアイデアが浮かびません。
先ほどの例を見ても分かる通り、名台詞を発している彼らたちは、いうなれば「キャラが立っている」状態まで、しっかりとキャラクターを考え込んでいます。
「キャラが立った」登場人物が発する言葉は「個性的で、彼ららしさ」が滲み出てきます。そういう言葉は名台詞になりやすい。
つまり、魅力的なセリフを考えようと思ったら、まずはキャラクターを重点的に考えよう、ということですね。
キャラが立った登場人物を考えられれば、彼ら自身が魅力的なセリフを話してくれます。作者は、その言葉を文字として書き留めるだけで良いのです。
「でも、キャラクターを考えるのって、どうすればいいの?」
そう疑問に思った方は、こちらの記事を参照してみて下さい。魅力的なキャラクターについての記事はこちら→(記事:キャラクターの作り方【総括版】キャラ作り基本から応用まで)
魅力的なセリフには場面(地の文)も重要
次は「場面」についてのお話です。
「キャラクター」の次に大切なのが「場面」です。せっかく良いセリフを話していても、残念な場面で発していたならば台無しです。
そうならないためにも、「場面」やその「前後の展開」をしっかりと考える必要があります。
ところで、アニメや映画や漫画ならば「場面」描写は「絵」を使って表現できますが、小説ではそうはいきません。
小説では、セリフと同じく、文字によって「場面」を表現するしかないのです。ここが、小説でのセリフの難しさであると思います。
セリフの間に起きるちょっとした間や、言葉遣い、抑揚、感情、表情など、普段は「目に見えたり聞こえたり」することが、小説では直接的に伝えることができないのです。
それをすっ飛ばしてセリフ「」だけで表現しても、なんだか中身のないスカスカなセリフだと感じられてしまいます。
そうならないためにも、「地の文」によって描写する力が必要になります。
地の文とは、「会話文以外の説明や描写の文(引用:広辞苑第六版)」のことです。要は「」で括られたもの以外の文章ということですね。
つまり、「魅力的なセリフ」を作るには、セリフ以外の「地の文」を効果的に文章として書く必要があります。
意外かもしれませんが、セリフ以外も重要だということですね。
「魅力的なセリフ」までの展開の仕方、と言った方がいいかもしれません。
先ほどの、「間」や「抑揚」など、セリフでは表現しづらいものを、「地の文」では表現できるようになります。
そう言ったセリフ周りの「地の文」を、ボクは「台詞回し」と呼んでいますが、「魅力的なセリフ」を惹きたてるには、「台詞回し」を勉強すると良いと思います。
台詞回しについての記事はこちら→(記事:)
まとめ
魅力的なセリフを考え出すためには「キャラクター」と「場面」が重要になってくる。
「キャラクター」と「場面」を丁寧に作り出していくことが、「魅力的なセリフ」に繋がっていく。
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