はじめに
この記事は「小説のアイデアの基本」について書かれています。
- アイデアの基本がわかる
- オリジナリティあるアイデアを生み出せる
「アイデアが思い浮かばない……」
小説を書いていて、そんな場面に出くわしたことはないでしょうか? 順調に書き進めていたと思っていても、気が付けば「アイデアが枯渇」してしまう。
書きたいんだけど、書く内容がない……。アイデアを考え出しても、中々、「良いアイデア」が思い浮かばない。
小説を書いている方なら、誰でもそう言った場面に出くわすと思います。
ここで、パソコンの前でウンウンと唸り、アイデアが思いつけば良いですが、「何も思い浮かばない……」という人の方が多いのではないでしょうか。
そうなのです。アイデアはパソコンの前で、ただウンウン唸っていれば出てくるものではないのです。
では、どうすればいいのか。
ここで、アイデアの定義が重要になります。
すなわち、「アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ」なのです。
「既存の要素の新しい組み合わせ?」
どういうことか、これから説明していきます。
アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ
意外と知られていないかもしれませんが、アイデアには定義があります。
前述した、「アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ」とは、良書:「アイデアのつくり方」で著者が定義したものです。
ボクは、これに百パーセント同意します。
つまり、「斬新」と言えるような奇抜なアイデアとか、「目をみはる」ような素晴らしいアイデアも、突き詰めれば「既存=(既に存在する)」のアイデアの集まりなのです。
「本当かよ?」
そう思う方は、今流行りの小説を分解してみて下さい。
それらは一見すると、斬新なアイデアの塊のような気がするけれども、その中身を要素として箇条書きにしてみると、「既存の要素」がたくさん出てくると思います。
例えば、
- 異世界転生
- 主人公最強
- なろう系
- ファンタジー などなど
一つ一つの要素を抜き出していくと、意外なほど「既存の要素」が出てくると思います。
これらの「既存の要素」を「新しく組み合わせる」ことによって、自分らしいオリジナリティあるアイデアに生まれ変わるのです。
つまり、ボクたちがアイデアに困ったらやることは
- 既存の要素(既出のアイデア)を集めること
- 新しい組み合わせを見つけること
この2つです。詳しい内容はこちら→(記事:小説のアイデアに困った時に試したい9つの質問)
小説におけるアイデアは「エピソード」まで考える
ここまで読んでみて、「そっか。アイデアって、そういう風に出来るんだな」と思って貰えれば、万々歳です。
しかし、ここでは一歩進んで「小説におけるアイデア」とは何かを考えてみます。
小説は、自分の伝えたい想いや考えを、物語として読者に伝えるコンテンツです。では、物語(ストーリー)は、何から出来ているかというと、「1つ1つのエピソード」の集まりだと解釈できます。
つまり、小説を分解していくと、最終的には「エピソード」になると、ボクは考えています。ストーリーについての記事はこちら→(記事:)
ならば、ボクたちが集めるアイデアも、最終的には「エピソード」にまで昇華して集めた方がいいと、ボクは考えています。
「エピソードまで昇華する?」
そうです。
例えば、読書や映画を観ていて、「これは、良いアイデアだな」というものが思い浮かんだとします。大抵はそのアイデアを
- 〇〇の時に、××する
のような箇条書きか、一言二言の短い単語でネタ帳にまとめているのではないでしょうか?(ネタ帳についての記事はこちら→(記事:小説のストーリーの作り方は「エピソード」のまとめ方から考えよう))
アイデアを出した最初の段階ではそれでも良いですが、それを小説に組み込む段階になると、一工夫が必要です。
それが、「エピソードに昇華すること」です。
箇条書きや、メモ書き程度で書かれたアイデアを、「エピソードにまで仕上げること」が、小説におけるアイデア集めでは大切ではないかと思うのです。
小説を作るのは物語(ストーリー)です。そして、その物語を作るのは「エピソードの集まり」です。ならば、アイデアも「エピソード」の形として集めることが重要だと、ボクは考えます。
なので、「良いアイデア」が思いついたとなれば、それを最終的には「エピソード」に昇華する作業が必要だと思います。
エピソードまで昇華する方法
それでは、どうやったらエピソードにまで昇華できるのか。
箇条書きやメモ書きの様な物を「強引にエピソードに昇華させる」のは、あまりオススメできません。
アイデアというものは、とてもか弱い生き物なので、強引に形を与えると、途端に壊れてしまう可能性があります。
そこでボクは、アイデアを3段階に分けて考えます。この方法は良書:「思考の整理学 (ちくま文庫)」に記載してあった方法を参考にしています。
- 何でもいいからアイデアをメモする。(この段階ではエピソードでなくてよい)
- 時間を置いて、アイデアのことを忘れる。
- もう一度アイデアを見返し、良いアイデアだなと思ったものは、別のネタ帳に「エピソード」として書き込む
この3段階です。
1段階目
1段階目では、最初に説明した「箇条書きや、メモ書き」のような曖昧なもので大丈夫です。
それらを、1つのノートやメモ帳にまとめるのです。1つのメモ帳にまとめる理由は、「アイデアは既存の要素の組み合わせ」だからです。
一見、ゴチャゴチャに見えるノートの方が、アイデアの萌芽は出やすいのです。なので、この段階では、「何でもいいから」1冊にまとめてしまいましょう。
2段階目
2段階目では、集めたアイデアを忘れてしまいます。
「え? せっかく集めたのに忘れちゃうの?」
そう心配になるかもしれませんが、そうなんです。「見つめる鍋は煮えない」という言葉の通り、アイデアは見つめすぎると中々、輝いてくれないのです。
それよりも、頭の片隅に置いて、忘れたか忘れてないかといった状態に持って行く方が、そのアイデアの本当の価値が分かります。
なので、この段階では「完全に忘れること」を目指しましょう。
もしも、思いついたアイデアが「本当に価値のあるもの」だとすると、忘れた頃に、頭の中で「宝石のように輝き始めます」。
胡散臭いような感じがしますが、一度経験すると自明なものに思えるので、ぜひとも、この段階を経験して欲しいです。
3段階目
3段階目では、忘れたアイデアをもう一度見返しましょう。
ここで、「本当に良いアイデア」ならば、見返してみても「やっぱりいいなあ」という感想がこぼれます。
逆に、当時は良いと思っていても見返してみて、「あんまりよくないぞ」という感想を抱くアイデアもあります。
前者は「無事にアイデアとして形を持った」価値あるアイデアであり、後者は残念ながら「アイデアとして育たなかった」残念なアイデアです。(この作業を「アイデアの試練」とボクは呼んでいます)。
このようにして、1段階目で生み出したアイデアを、2つに分けてしまいましょう。そして、前者のような「価値あるアイデア」を大切に取り出し、違うメモ帳にでも移しましょう。その際、思いつく「エピソード」を記載します。
完璧なエピソードでなくて大丈夫です。「登場人物は誰で、どんな場所で、どんなことをしたのか」この程度の要素を含んだエピソードで大丈夫です。
このようにして、「無事にアイデアの試練を乗り越えた、価値あるアイデアたちをエピソードに昇華していく」ことが、小説におけるアイデア作りで大切ではないかと、ボクは考えています。
おわりに
アイデアは、一定の作業をこなすことで、作り出すことができるとボクは信じています。なので、「オレは才能がないから……」と落ち込まずに、出来ることをやってみましょう。
そうすれば、きっとあなたらしいアイデアが生み出せるはずですよ。
まとめ
アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせである。
アイデアを生み出すには、1.既存のアイデアを集めること 2.新しい組み合わせを探ること。
小説におけるアイデアとは、「エピソード」にまで昇華したものである。
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