はじめに
この記事は「小説のアイデアとは、何を集めれば良いのか」と悩んでいる人に向けて書かれています。
- 小説のアイデアは、何を集めれば良いのかがわかる
「小説のアイデアって、何を集めれば良いの?」
小説を書くためにアイデア集めをしようと決めたものの、そんな疑問を持ったことはないでしょうか?
アイデアを集めることは重要だ、というのは何となくわかるけど、でも、どんなものを集めれば良いのか。考え出すと困ってしまいますよね。
ただ、漠然と集めていても、「これ、役に立つのか?」「こんなことしても無駄だろう」と、アイデア集め自体を否定してしまうことに繋がりかねません。
アイデアを集めることはとても重要です。それは、小説をより良くしよう、面白くしようということに直結します。そんなアイデアの重要性についてはこちらの記事を参考にしてみて下さい。(記事:小説におけるアイデアとは?基本から実践までを考えてみる)
本題に戻りますが、何を集めるのかという疑問には様々な答えがあります。そこで、とりあえずボクがアイデア集めをする際に抑えているポイントをご紹介します。
それは何かというと、「どう書くか」と「何を書くか」の2つを意識してアイデア集めをしています。
「どう書くか? と何を書くか?」
そうなんです。これは、筒井康隆氏が「小説書く人に、これだけは伝えておく」の中で、少しだけ語っていたことなのですが、なるほどと思ってボクもこの考えを採用しています。
アイデアと一括りでまとめられるモノも、小説に必要な要素は何かと考えてみると、この2つに分解できるのではないかとボクは思うのです。
そして、それら2つを意識してアイデア集めをするだけで、ご自身の書きたい小説にグッと近づくとボクは考えています。
どういうことか、これから説明していきます。
何故、アイデアを集めるのか
上記の話をする前に、まずは「何故アイデアを集めるのか」について、少し話したいと思います。
その理由は色々とあるかと思いますが、何故、アイデアを集めるのかというと、「アイデアに困ったから」だと思うのです。
順調に書き進められていれば、何もアイデアを「積極的に集める」ことはしなくて良いはずです。
パソコンに座って、テキスト帳の前でカタカタとキーボードを叩いていれば、小説が出来るのですから、何も不満はありません。
でも、ふとした時に、「あれ? 書けない……」という壁にぶつかる時が来ます。これが、「アイデアに困った状態」であり、この時になって初めて「アイデアを集めよう」となるわけです。
では、その時にどんな壁にぶち当たるかというと、2つあると考えています。それが、先ほど出てきた「どう書くか」と「何を書くか」問題です。
「どう書くか」:知らなければ書けないことがある
例えば、中世のヨーロッパを舞台にしたファンタジー小説を書くとか、吹奏楽部をメインにした青春小説とかを書こうとします。
そんな時に、中世のヨーロッパを知らなければ、当然、小説は書けません。同じように、吹奏楽がどんなものかを知らなければ、やっぱり小説は書けないのです。
つまり、ボクたちは「知らないことは書けない」のです。
「そんなのは当たり前じゃないか」
そう思うかもしれませんが、意外とこれが重要でして。
小説を書き始めた時は、「自分の知っていることを書く」だけで、小説が書けていました。始まりは、みんな小説が書けるはずなのです。
しかし、物語を展開させていくうちに、「自分の知らないもの」を描写しなくてはいけない時が来ます。
そこで、「適当に書いてしまう」ということもあるでしょうが、そうすると、小説のリアリティがなくなってしまいます。適当に書いた文章は、読者に見破られてしまうものなのです。
(リアリティについての記事はこちら→(記事:リアリティのあるファンタジー小説の書き方))
そうならないためには、「中世のヨーロッパ」や「吹奏楽」についての資料集めをしないといけません。これが、ボクがいう「どう書くか」ということに繋がります。
これは何も、舞台設定に限った話ではありません。
実際に見たことはあるけれども、描写したことがないことが、ボクたちには沢山あると思います。つまり「知っている」と「書ける」とは、また違うということですね。
例えば、桜が散る描写とか、ギターを弾く描写とか、バイクに乗る描写とかを書く必要に迫られた時、すんなりと書けるでしょうか? 恐らく書けないと思います。
桜が散ることも、ギターを弾くことも、バイクに乗ることも知識としては知っているはずです。しかし、それをいざ小説の中で書こうとすると、中々書けないと思います。
それは「知識として知っているだけで、実際に書いたことがないから」です。
ボクたちが「どう書くか」を習得するまでの道のりとしては、「知っているから書ける」ようになると言えます。
「何を書くか」:ネタ切れという深刻な問題につながる
小説を書き始めた最初の段階では、この「何を書くか」について悩む人は少ないんじゃないかと思います。書きたい「何か」があって、小説を書いている人が多いのですから。
この書き始めでいえば、先ほどの「どう書くか」についての悩みも少ないことは、先ほど述べた通りです。
しかし、1万字、2万字と書き続けているうちに、どこかで筆が止まってしまう経験はないでしょうか?
その理由は「どう書くか」という書き方の問題かもしれないし、もっと深刻な、「何を書こうか?」というネタ切れの問題かもしれません。
何故、深刻かというと、「どう書くか」では調べれば一応の答えが出てきますが、「何を書くか」は、調べれば出てくるようなものではないからです。
つまり、「そんなのはググれよ」というアドバイスは、「何を書くか」において通用しないのです。
ボクたちは、何か問題にぶち当たると、「きっとどこかに答えがあるはずだ」と思って、外の世界に答えを求めてしまう傾向があります。
しかし、「何を書くか」においては、外側にその答えは存在せず、自分の中にしか、しっくりとした回答を得られないのです。
このことから、「何を書くか」のアイデアは重要で、それがなくなるとヤバいという深刻さが分かるかと思います。
場合によっては小説家としての生命が断たれかねない大問題です。ですので、「何を書くか」というアイデア集めは、必須中の必須項目になると思います。
何を集めるのか
前章までで、どんなアイデアを集めた方がいいのかを説明してきました。つまり、「どう書くか」と「何を書くか」に繋がるアイデアを集めればいい、というわけですね。
「でも、それって具体的にどうやって集めればいいの?」
という方のために、次章からは、どのようにしてアイデアを集めればいいかを書いていきたいと思います。
「どう書くか」では、先人の言葉を積極的に借りよう
どう書くかについて、一番有用な方法は、読書をすることだとボクは考えています。
自分と同じように文章で表現している作家さんの「書き方」を学ぶことが、「どう書くか」を勉強する一番の近道だと思います。
「えー、でも、読書って面倒なんだよな……」
小説家を目指すのならば、読書は避けられないと思いますが、もし、読書が苦手ならば、オススメしたい方法があります。それは、「愛読書を作って、その1冊だけを熟読すること」です。
読書が苦手な方でも、好きな本ならばスイスイと苦なく読めるはずです。そんな愛読書を1冊持ちましょう。
そして、そこに書かれている文章を「どう書くか」というポイントを意識して、自分なりに分析してみるのです。どんな表現を使っているのか、どんな単語を使うのか、どんな書き回しをしているのか、等々。
そうやって、愛読書を徹底的に読込み、「どう書くか」についてのアイデアを吸収しましょう。
もし、読書をもっと有効にしたいと考えている方、こちらの記事が参考になるかもしれません。ぜひ、参考にしてみて下さい。→(記事:読書の質はアウトプットで決まる 簡単で有用なアウトプット法)
「何を書くか」は、どんな物でも発想を得られる
逆に、「何を書くか」については、集める決まりはないと考えています。どんなものでも、「アイデア」を得られるはずです。
好きな漫画や、歌や、映画や、小説から「これを書きたい!」とアイデアが浮かぶかもしれませんし、ふとしたきっかけで「書きたい」と意欲が湧くかもしれません。
こればっかりは、自分の「感情」と照らし合わせていく作業になるので、根気がいります。常に電波を貼って、「書きたい欲」に忠実に暮らしてみましょう。
意外な方法としては、「嫌いな物」からアイデアを得るという方法があります。
「え? 嫌いなモノからもアイデアが出るの?」
そうなんです。それが、「バグリスト」という方法です。
良書:『アイデア大全』という中で紹介されているものなのですが、「不満や苛立ち、嫌い」という感情から、アイデアを生み出していく方法になります。
例えば漫画などを読んでいて、「違うよ、この展開はこっちの方が面白いよ!」と、もどかしく思ったことはないでしょうか?
こんなキャラクターを出した方がいい、この展開は必要ない、こんな展開じゃキャラクターがかわいそうだ、等々。そんな「不満」を、自分の小説にぶつけてみるのです。
「どんなものを書きたい?」という視点でのアイデア探しは、意外と見つからないことが多いですが、「どんなものが嫌い?」という逆の視点で探してみると、すんなり見つかったりします。
それは、日ごろから不満を持っている、ということなんですかね? (笑)
このようにして、「どう書くか」と「何を書くか」についてのアイデアを集めていきましょう。
どうネタ帳にまとめるか
何を集めるかという視点も大事ですが、実は「集めたものをどうまとめるか」も大事だったりします。
つまり、ネタ帳の書き方ということになるのですが、これがしっかりできていないと、「せっかく集めたのに放置」という状態になってしまうかもしれません。
そんなことにならないためにも、ネタ帳の書き方が重要になってきます。そんなネタ帳の書き方についての記事はこちら→(記事:小説に必要なネタ帳の書き方|アイデアに困らないためにやりたいこと)
まとめ
小説におけるアイデアには「どう書くか」と「何を書くか」の2種類ある。
それぞれについて集め方があるので、意識して集めてみよう。
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