はじめに
この記事は「小説が上手く書けない」と悩んでいる人に向けて書かれています。
- 小説が上手く書けない原因がわかる
- 小説を上手く書くための練習法がわかる
- 愛読書を使った効率的な練習がわかる
小説が上手く書けない理由。それは「読書量」が原因だとボクは考えています。
何故なら、「描写力=読書量」だと考えているからです。そういうと、
「なんだよ、結局読書をしろってことかよ……」
と萎えてしまいそうですが、少し訂正を加えます。
ボクは、ただやみくもに沢山の書籍を読んだところで、上手く書くことにはつながらないと考えています。
それよりもたった1冊でもいいので、読み込むことが大事です。
そこで、ボクがオススメしているのは「愛読書」を1冊持つこと。そして、それを熟読すること。これが小説が上手く書くための最も有用な練習法だと思っています。
どういうことか、これから詳しく説明していきます。
小説が上手く書けるとは何か
愛読書のお話をする前に、「小説が上手く書けない」原因を明らかにしたいと思います。
ボクは、小説が上達することと、絵が上達することは同じだと考えています。
ところで、「上手い絵」には2通りあることはご存じですか? 『絵はすぐに上手くならない』という本の中で、「上手い絵」が紹介されています。
1つ目は、技術的に「上手い絵」です。
これは、写真のように精密に描かれたリアルな絵や風景画などが、これにあたります。
普段、ボクたちが上手いと考えるような絵ですね。
そして、2つ目は、物の形を知っている「上手い絵」のことです。
「ちょっとバイクを描いてよ」 そういわれるとササッとバイクの絵を描いてくれる。
そんな形を知っている「上手い絵」があります。
この2つの「上手い絵」は、そのまま「上手い小説」と置き換えられます。
つまり、小説が上手く書けるとは以下の2パターンです。
- 技術的に上手く書ける
- 形を知っているので上手く書ける
小説が上手く書けるには2パターン存在する
上記の説明から、小説を上手く書くには2パターン存在することがわかります。
①は、技術的に上手い書き方です。いわゆるレトリックといわれる表現のことです。
言葉巧みに心情を表現し読者の心を掴んだり、臨場感あふれる描写で犯人を追い詰める探偵を表現する。そんな「技術的に上手い書き方」です。
②は、「形を知っている上手い書き方」です。
「形を知ってるって何?」
これは少し説明しましょう。
例えば、ギターを演奏するシーンを描写するとします。ギターを触ったことのない人からすれば、これを描写するにはなかなか難しい。
描写するためには以下のことを調べる必要があります。
- ギターの部位の名前
- コードと呼ばれる音階
- アルペジオなどの奏法
- 弾く際の姿勢 等々
これらの「ギターを弾く形」を知って初めて、ギターの演奏を描写することができます。
このギターを知っている状態というのが「形を知っている上手い書き方」です。
レトリック:言葉を適切に用い、もしくは修辞的な語句を巧みに用いて、表現すること。また、その技術。
小説を上手く書く方法
以上のことが分かれば、小説を上手く書く方法が分かります。
- ①技術的に上手く書く
- ②形を知り上手く書く
小説を上手く書くには、以上の2つに対して練習していくことが大切です。
①に関しては、上手い文章というものをどんどん吸収していくこと。
読書を通して上手いと思う表現を集めたり、映画やドラマを見たりして集めましょう。
集めたネタはネタ帳に集めることをオススメします。ネタ帳の書き方は(記事:ネタに困らない アイデアがあふれるネタ帳の書き方 小説編)
②に関しては、描写したい資料をしっかりと集めることが必要です。
想像上で、何んとなく書いてしまう文章はありませんか?
例えば「扉を開く描写、階段を登る描写、ビルを見上げる描写」
知っているようで知らないことを、「多分こうだろう」と適当に書いてしまう。
そうではなくて、実際に画像を見る、仕組みを理解する、構造を調べる、ことを面倒がらずに行うこと。それが、上達するヒントになります。
そして、この2つを網羅してくれるのが「愛読書を見つける そして熟考する」ことだとボクは考えています。
愛読書を見つける そして熟読する
①と②の両方をまとめて練習できるのが「愛読書を見つけて、読み込む」ことだと思っています。
何故なら、愛読書には「①技術的に上手い文章」と「②形を知っている上手い文章」の両方が入っているからです。
作家として小説を出すには、高い技術力が必要です。また、物語を進行させていくためには、たくさんの事物を描写する必要があります。
この①②の両方が入っている「愛読書を見つけて、読み込み、マネをすること」が、執筆の上達にとても有効です。
愛読書を使った練習法は以下のようになります。
- 愛読書を見つける
- 読み込み、技術を吸収する
- 文章をマネて、自分の小説を書いてみる
これが基本です。
後の文章で詳しく解説していきます。
1.愛読書を見つける
「この作家さんみたいな表現をしたい!」
「こんな風に上手い小説を書いてみたい!」
そんな憧れを抱いた作家さんはいませんか? その作家さんの中から、もっとも影響を受けた本を1冊、愛読書に選びましょう。
この愛読書の選び方で、あなたの作風が決まります。
これから、あなたは愛読書を通して、作家の技術や表現方法をどんどんと吸収していきます。そうすると、おのずと、作者と似た文章になります。
そのために、愛読書選びというものは重要になってきます。
古典でも、ライトノベルでも構いません。とにかく憧れを抱いた作家さんから、愛読書を1冊決めましょう。
2.愛読書を読み込み、技術を吸収する
①と②の「上手い書き方」を意識しながら、徹底的に読み込みましょう。
「どんな表現をしているのか」
「どこに、上手さを感じたのか」
「何がそんなに魅力的なのか」
そういったことを、自分と対話しながら熟考するのです。その際、ボクはネタ帳を作ることをオススメします。
一例として、ボクが読書をする際に、注意して読む点を述べます。
①技術的に上手い書き方
- 心地よい文章をどうやって作り出しているか
- どんな比喩表現を使っているのか
- オノマトペの使い方についてはどうか など
②形を知っている上手い書き方
- 語彙について
- 知らないオブジェクトの描写について
- 心理描写について
”何”を読むかについては個性が出てくるところなので、自分らしい読書の方法を実践してみてください。ボクがオススメする読書法については(記事:再読のススメ 本を読んだら終わりじゃもったいない 再読のメリット)
3.文章をマネて、自分の小説を書く
愛読書を読み込むのと同時に、実際に小説を書いてみましょう。
会話の表現、文章テンポ、句読点の使い方、キャラクターの動かし方、カメラワークなど。
吸収した技術を自分の小説に取り入れて書くのです。
ただ読んでいるだけでは、自分の技術になったとは言えません。
実際に書いてみると、習得できることがたくさんあります。
なので、今書いている小説があれば、そこの愛読書で培った技術を詰め込みましょう。
最初は「パクっている」ような表現になってしまうかもしれません。
初めのうちはそれいいのです。
昔から武道では「守破離」という言葉がありました。つまり、技術の習得は「マネて、工夫し、自分の形にする」ことが重要です。
文章をマネて書くことは「守」の段階に入ります。忠実に愛読書の技法を真似ること。それが、自分らしい工夫の「破」につながり、最終的に個性的な文章である「離」につながります。
そのためにもまずはマネて、吸収すること。それが大切です。
さいごに
最後に一例として、ボクが書いている小説のURLを載せておきます。これを読めば、ボクがどの作家に影響されて小説を書いているかがわかるでしょう。
まとめ
小説がうまく書けるには2パターンが存在する。①技術的に上手く書ける②形を知っていて上手く書ける。
それらに対して、効果的に練習をすることが、小説が上達するには大事なこと。
その両方を網羅しているのが「愛読書を見つけ、熟読すること」である。
「小説が書けないよ……」
小説を書いていて、そんな悩みを抱えたことはありませんか?
小説が書けなくなる理由は様々です。それぞれに原因があって、対策があるとボクは考えています。
そこで、過去にこれまでにご紹介した「小説が書けない」時の【まとめ】記事を作ってみました。
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